パソナと豊田通商、タイ技術者派遣、日系企業向け
12月6日 日経速報ニュース
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パソナと豊田通商、タイ技術者派遣 日系企業向け
パソナグループは豊田通商と組んでタイに進出し、日系企業向けに技術者などの派遣・紹介事業を始める。
共同出資の新会社を年内にも設立。
日本語を話せる人材の育成もする。
タイは昨年の洪水被害からの復興や自動車関連企業の進出で人手不足が目立つ。
現地で増産を計画するトヨタ自動車のほか、進出を予定する中小部品メーカーなどの人材確保を支援する。
新会社名は「パソナHRコンサルティングタイ」。
パソナが49%、豊田通商のタイ法人が26%、残りを日系金融機関などが出資する。
新会社はまず、トヨタなどにタイ人の技術者や事務員を派遣・紹介する。
トヨタの増産を機にタイへの進出を目指す中小部品メーカーに対しては、派遣・紹介のほか人事戦略のアドバイスもする。
自力では有能な人材の確保が難しいトヨタ系列の各社を支援する。
他の日系メーカーに対しても事業を広げ、今後3年以内に合計数千人規模への拡大を目指す。
タイの日系企業は、日本語が話せる人材への求人意欲が根強い。
語学研修に強みがあるパソナは、新会社を通じてこうした現地人材の育成もあわせて手がける。
日本から講師を派遣するなどして数カ月間の研修プログラムを実施し、日本語や日本の企業慣習を習得させたうえで日系企業に派遣・紹介する。
タイは昨年の洪水被害からの復興需要などを受けて労働需給が逼迫。
8月の失業率は0.6%と非常に低く、中小企業は独力で人材を見つけにくくなっている。
一方でタイをはじめ東南アジア各国は、中国リスクの退避先として日系企業の投資が拡大して
いる。
特にタイは自由化が進む隣国ミャンマーへの進出拠点としても注目を集めており、日本語が話せる人材への需要が一層高まる可能性が高い。
パソナは1980年代から単独でタイに進出していたが、2009年の政情不安を受けて撤退しており再進出となる。
豊田通商が海外で人材サービス事業に参画するのは初めて。
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タイへの注目度が上がっているようです。
中国のカントリーリスクを考慮し、代わりとなるアジア圏の国を模索している事も、理由の1つなのでしょうね。
ただし、実際の現場の話を聞くと、
「カントリーリスクはあるものの、中国はそれでも巨大市場。
タイやベトナム、ミャンマー等に工場を移転する…というのも、簡単には言えない。
労働人口が違いすぎるので、完全に中国の代わりとして考えるのは難しい…。」
という声も聞いたことがあります。
カントリーリスクを考えて中国から撤退する。
口でいうほど、簡単な事でもないようですね。