三越伊勢丹、瀋陽から撤退…販売不振続き、中国出店は継続
1月31日 日本経済新聞からの抜粋+一部編集です。
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三越伊勢丹、瀋陽から撤退…販売不振続き、中国出店は継続
三菱伊勢丹ホールディングスは中国・瀋陽(遼寧省)の店舗を3月末で閉店する。
2008年2月の開業以来、販売不振が続いていたことに加え、反日デモの影響もあり、事業継続は難しいと判断した。
ただ同社は中国を成長市場と位置付ける方針は維持し、14年末に計画する成都への出店も予定通り進める。
瀋陽伊勢丹は売り場面積約3万平方メートル。
衣料品から食品までを扱い、レストランも備える日本型の百貨店として開店当初は注目された。
しかし近接地にある中国資本の大型百貨店が海外高級ブランドをテナントとして展開。
伊勢丹は富裕層の獲得に苦しみ、開業以来赤字が続いていた。
家賃改定の時期に差し掛かり、出店先のビルのオーナーと交渉を続けていたが、営業継続を断念した。
同店運営会社の11年度の売上高は26億6800万円、営業損益は3億3100万円の赤字だった。
三菱伊勢丹ホールディングスの中国事業は昨年秋の反日デモ以来、上海の店舗を除き、売り上げが振るわない。
それでも同社は今年1月に開業した天津2号店に続き、14年末には成都に2号店を出す計画だ。
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三越伊勢丹が、中国の瀋陽から撤退をするものの、中国の進出自体は継続する。
それはやはり、カントリーリスクがあるものの、企業の成長の為には中国市場は欠かせない…という意思の表れなのでしょうか。
家電業界のとある元社長にお話を聞いたことがあります。
「ミャンマーやベトナムなどに工場を移転すればいい…なんて話をよく聞く。
しかし、全ての工場を移転させることは現実的ではないだろう。
中国に比べ、ミャンマーやベトナムでは労働人口が桁違い。
それを踏まえれば、中国との良好な付き合い方を考えるべきなのではないだろうか。
また、中国の場合、そう簡単に撤退できるというわけでもない」
目先の事だけを考えれば、やはり撤退すべきなのかもしれません。
しかし、成長する事を余儀なくされる特に上場企業にとっては、やはり中国市場は魅力的なのでしょうね。
とは言え、政治問題や環境問題など、最近では日中関係の悪化や進出をためらわせるような問題も発生している事も事実。
経営者は、しっかりとした調査のもと、決定を下さねばなりませんよね。