「シニア社員制度」…3つの選択肢から1つの進路を選ぶ 中外製薬

人事制度

2月14日 日経産業新聞からの抜粋+一部編集です。

 

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中外製薬―次の進路55歳で選択、技能生かし65歳まで現役

 

中外製薬は55歳を迎えた社員全員に3つの選択肢から1つの進路を選ぶ制度を2011年に導入した。

正社員を継続するか、一度退職してシニア社員になるかといったコースで、シニア社員を選ぶと原則として65歳まで雇用を保証する。

それまでの業務で培った専門性をグループ内で生かしつつ、年金受給開始年齢の引き上げなどにも対応する。

 

「65歳まで定年延長ということですか」

「法律が変わったらどうなりますか」――。

 

中外製薬が53、54歳の社員を対象に行う2泊3日の「キャリアデザイン研修」では活発な質疑応答が繰り広げられている。

「人事部でやるどの研修よりも活発」

と、人事部の桜井万寿美課長は語る。

 

同社が11年に導入した「シニア社員」制度は、55歳でいったん退職し、契約社員として原則65歳まで再雇用される仕組み。

毎年契約を更新し、退職金は55歳時点で受け取る。

 

シニア社員は正社員と雇用形態は違うが、実際の働き方の変化は大きくない。

「今は以前に居た職場で働くことが多いが、転勤を伴う異動もあり、正社員とほとんど変わらない」

桜井課長は話す。

 

ただ、部下を持つ管理職ではなく、技能を生かす仕事になる。

 

11年1月にシニア社員に切り替えた江橋宏幸さん(59)。

1977年に入社後、一貫して経理畑を歩んできた。

定年の60歳が近づき、「やめた後どうしようか」と考えていた時に会社が制度の試験導入を始めた。

 

江橋さんは趣味などで特別何かやりたいことがあるわけではなかったため、定年後も働き続けたいと考えていた。

しかし、60を超えて違う会社に就職した場合の心身の負担の大きさは容易に想像できた。

会社での経験を生かしながら働き続けられるシニア社員制度は「願ったりかなったり」で、早速応募した。

 

江橋さんの現在の職場は前と同じで、グループの経理を請け負う関係会社。

切り替え前は部下の人事管理が仕事の半分以上を占めていたが、シニア社員なので管理職からは外れる。

関係会社自体の総務や経理、人事などを見ている企画グループに属している。

 

「ちょっとやろうか」。

 

江橋さんは時間を見つけては、一緒に働く20~50歳代の社員に声をかけて話をすることを意識している。

 

例えば、今後予定される税制改正のポイントをどうやっておさえるか、どういう立場の人に聞けば経理処理で難しい部分が解決できるかなど、マニュアルにないノウハウを伝えている。

試行も含めた制度開始から2年で、シニア社員を選んだ割合は11年が55歳全体の15%、12年が16%。

早期退職はほとんどなく、残りは正社員の継続だった。

 

人事部の広瀬真一グループマネジャーは

「ずっと勤めてきた会社を定年前に辞めるという決断への抵抗は若干あるかと思う」

と分析する。

 

シニア社員を選ぶべきかどうかの参考になるのが、前出のキャリアデザイン研修だ。

 

まず初日に制度の仕組みや年金や退職金の基本を説明。

初日は「現実を知ってがっかりしている人も多い」(桜井課長)。

2日目と3日目はグループに分かれ、自分の思考形態や考え方のベースとなっているものなどをひもとくグループワークを行う。

 

自分の職歴や業績、交渉力や決断力などこれまで発揮してきた能力の整理、人脈や趣味、特技の振り返りも含まれる。

「これまでのキャリアの棚卸し」(広瀬マネジャー)だ。

他者の目も使って自身を振り返ることで、それぞれが能力や希望に気づいていく。

職業人としての自分を振り返るいいきっかけになっているという。

 

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最近の雇用関係の制度変更などにより、人事関連が大きく動いております。

 

再雇用制度やシニア社員制度。

市場の変化や人口動態の変化により、制度・政策も変わってきます。

 

今後も、色々と変化していくものと思われます。

 

 

 

 

尾登 正幸

ブログ著者:尾登 正幸

埼玉県出身。大学3年生の就職活動期に “人生を楽しむことを手伝える” 仕事での起業を決意。同じ志を持つ仲間と3年後の会社設立を目標として共有し、ノウハウを得るため2006年に人材派遣会社に就職した。2008年12月、仲間と共にRAYERED(株)を設立し、2010年からは代表取締役に就任。ビジョンの共有を核とする人事コンサルティングや、人事適性検査にフィードバックを付けるサービスはリピーターが多い。人事適性検査をフル活用した独自のスキームにより、企業と人のベスト・マッチングを提供している。

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