60歳以上の継続雇用拡充影響は、若者採用にしわ寄せも

人事ニュース

2月21日 日本経済新聞からの抜粋+一部編集です。

 

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13賃金雇用Q&A(下)60歳以上の継続雇用拡充影響は、若者の採用にしわ寄せも

 

今春の労使交渉では、定年を迎えた60歳以上の社員を雇用する「継続雇用」の拡充問題が議論に上っている。

改正高年齢者雇用安定法が4月に施行されるのに伴い、企業は将来的に65歳までの希望者全員を雇わなければならなくなる。

シニア層の生きがいや消費の拡大につながると期待される半面、人件費の負担増で若者の雇用にしわ寄せが出る懸念もある。

 

 

Q 改正高年齢者雇用安定法はなぜこの時期に施行されるのか。

A 会社員が加入する厚生年金のうち、報酬比例部分の受給開始年齢が今年から段階的に引き上げられる。

受給開始年齢は現在60歳だが4月以降は61歳になる。

その後も3年ごとに1歳ずつ上がり、2025年4月以降は65歳となる。

定年後に年金がもらえず収入もない高齢者が増えることを防ぐためだ。

 

 

Q 現行法でも継続雇用を義務化している。

A 現行法では企業に対し、

(1)定年の引き上げ

(2)継続雇用制度の導入

(3)定年の廃止

――のいずれかの実施を義務化している。

 

ただし、(2)の継続雇用では労使協定に基づき、企業が人事考課などを理由に雇用対象者を選別できる規定があった。

新制度ではこの規定を廃止する。

企業の雇用義務の対象年齢は段階的に上がり25年4月以降、原則として65歳までの希望者全員を雇う必要がある。

違反企業の公表規定も導入する。

 

 

Q 企業経営にどう影響しそうか。

A シニア層の経験やノウハウを伝承できる一方で、人件費増大は避けられない。

経団連の試算によると、継続雇用の比率が現在の74%から90%に高まると、企業が支払う賃金総額は5年間で2%増えるという。

若者の採用抑制につながる可能性もある。

企業側も対応を模索しており、NTTグループはこのほど、現役世代の賃金カーブを抑えて賃金原資を確保することで労使合意した。

継続雇用のあり方が引き続き労使間の議論の焦点となりそうだ。

 

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くどいようですが、改正高年齢者雇用安定法の記事です。

 

まとめるとするならば、

・希望する従業員に関しては、65歳まで雇用する義務が発生

・継続雇用は以前もあったが、企業が定めた「規定」に沿う人材のみでOKだった

 →成績優良者、勤続年数○○年、健康優良者…など

  しかし、その規定を廃止知る為、希望者全員に対して雇用継続「義務」発生

・違反企業に関しては、企業名の公表もありうる

・影響としては、賃金カーブの見直し(全体的に給与減少)、新卒採用抑制等

 

という感じでしょうか。

勿論、希望者全員とは言え、健康不良者などは除外など一定の規制はできるかとは思いますが…。

 

大事な事だと思うので、何度も記事としてあげさせて頂きます。

というのも、それぐらい新聞記事に度々掲載されているという事なのですが。

それほど、注目度が高い改正なのですよね。

 

企業に定年まで勤め上げる事が難しくなっている一方で、年金の支給年齢は上がっていく。

それがどういう事なのか、しっかりと考える必要があるのではないでしょうか。

 

 

 

尾登 正幸

ブログ著者:尾登 正幸

埼玉県出身。大学3年生の就職活動期に “人生を楽しむことを手伝える” 仕事での起業を決意。同じ志を持つ仲間と3年後の会社設立を目標として共有し、ノウハウを得るため2006年に人材派遣会社に就職した。2008年12月、仲間と共にRAYERED(株)を設立し、2010年からは代表取締役に就任。ビジョンの共有を核とする人事コンサルティングや、人事適性検査にフィードバックを付けるサービスはリピーターが多い。人事適性検査をフル活用した独自のスキームにより、企業と人のベスト・マッチングを提供している。

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