障害者、環境整え戦力に、訓練を充実、自動化で作業簡単、法定雇用率上げに対応

人事ニュース

3月4日 日本経済新聞からの抜粋+一部編集です。

 

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障害者、環境整え戦力に、訓練を充実、自動化で作業簡単、法定雇用率上げに対応

 

4月から企業に義務付けられる障害者の雇用率(法定雇用率)が引き上げられ、大企業に比べ取り組みが遅れがちな中小企業も対応を迫られる。

独自に事前訓練の場を設けて作業の習熟度を高めたり、自動化を進めて働きやすい環境をつくったりする試みが広がる一方、職場で障害者の指導役になる人材を中小に紹介するサービスも登場してきた。

法定雇用率は現在従業員56人以上の企業に1・8%が課されているが、4月以降は50人以上、2・0%になる。

人材や資金が十分でない中小にとっては義務を果たしながら、障害者をいかに戦力にしていくかが一段と重要な課題になる。

 

おしぼりやタオルのレンタル大手、藤波タオルサービス(東京都国立市、藤波璋光社長)では洗濯・包装工場で9人の障害者が働く。

知的障害者が7人、聴覚障害者が2人だ。

直近4年間で2倍以上に増え、雇用率は16%を超す。

 

仕事内容を理解しやすいよう洗濯機に入れるタオルの適正量を写真で示すなど工夫。

障害を持つ社員には各自治体にある障害者就業・生活支援センターに必ず登録してもらう。

センターの担当者が定期的に職場訪問するなど、働きやすい環境の整備に努めている。

 

11年にはNPO法人を設立。

障害者自立支援法に基づき、最低賃金を保障する形で就労機会を提供する「障害者就労継続支援A型事業所」を開設した。

現在22人の障害者がおしぼりの洗濯・包装作業の訓練中だ。

仕事の能力が高まれば藤波タオル本体などで雇用する。

 

「社会貢献に積極的な企業と認知度が高まった」(高森知常務)

 

効果もあり、同社の12年8月期の売上高は14億2千万円と前期比約1割増えた。

 

自動車部品のめっき処理の大協製作所(横浜市)は新卒・中途をあわせて毎年2人前後の障害者を雇用する。

70人の社員のうち36人が知的などの障害を持つ。

めっき処理ラインの自動化を進め、治具に部品を引っかける単純作業だけで済むようにしている。

 

栗原敏郎社長は

「人手を集めにくいなか障害を持つ社員も十分戦力になっている」

と言い切る。

 

従業員数50人の丸善運輸倉庫(大阪府大東市)では、5人の障害者が倉庫から出荷する製品の検品作業をこなす。

 

森藤啓治郎社長は

「障害者雇用を促進するためには、まず経営者自身の意識改革から始めることが重要だ」

と話す。

 

自ら産業カウンセラーの民間資格も取得。

 

うつ病や統合失調症などの精神疾患では

「精神状態や体調変化が外部から気づきにくい」(森藤社長)

ため、声かけを積極的にするなど意思疎通の機会をできるだけ多く設けるよう心がけている

 

▼企業の障害者雇用

障害者雇用促進法は企業などに一定の割合以上で障害者を雇用するよう義務付けている。

現在は従業員56人以上の企業に1・8%以上を求めているが、4月からは2・0%以上に引き上げられる。

対象も従業員50人以上の企業に広がる。

従業員200人超の企業は障害者の雇用数が義務より少なければ、不足1人あたり原則月5万円の納付金を国に納める必要がある。

2015年4月からは納付金制度の対象が100人超の企業に拡大する。

納付金は障害者雇用に積極的な企業への補助金などに使う。

 

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障害者雇用に対する法律の改正です。

従業員50人以上の企業に広がる…。

つまりは、従業員が50人以上の企業は、障害者を1人雇用しなければならない…という事です。

2013年3月までは従業員56人以上でしたが、2013年4月からは従業員50人以上になる。

 

雇用者の雇用に関しては、納付金制度等のがあるのですよね。

1人不足に付き、国に納付金を納める必要があるのです。

逆に、一定以上の雇用をすれば企業に補助金が出ます。

 

さらに話題となっているのが、「精神障害者」の雇用義務の話ですよね。

政府が、その方針を打ち出したようです。

 

身体障害は身体の一部の障害、知的障害は知能の障害。

とは言え、身体に障害があっても環境が整っていれば問題ありませんし、知的部分の障害があっても、業務レベルは落ちても仕事はできます。

 

心配されているのが「精神障害者」。

勿論、程度によります。

ただし、急に暴れだしたり犯罪を犯すレベルの精神の障害の場合もあり、やはり懸念されているのです。

精神の障害があれば、犯罪も無罪になったりしていますよね。

 

裁判でも、よく精神鑑定が行われていたりします。

それを「雇用義務」にしようとするのですから、気が気じゃありません。

 

もちろん、上記にしましたが程度によります。

もし、雇用を義務化するのならば、せめて明確なラインを定めてほしいものです。

職業訓練等を行い、問題ないと国から診断されたり、医師から問題ないと診断されたり…。

問題が起きた際の責任が100%雇用者では、さずがに苦しいですよね。

 

経営者には、労災でいう所の「安全配慮義務」もあるわけですから、従業員を危険にさらす事はできません。

今後、どのような方向に落ち着くのか。

 

動きに注目です。

 

 

 

 

尾登 正幸

ブログ著者:尾登 正幸

埼玉県出身。大学3年生の就職活動期に “人生を楽しむことを手伝える” 仕事での起業を決意。同じ志を持つ仲間と3年後の会社設立を目標として共有し、ノウハウを得るため2006年に人材派遣会社に就職した。2008年12月、仲間と共にRAYERED(株)を設立し、2010年からは代表取締役に就任。ビジョンの共有を核とする人事コンサルティングや、人事適性検査にフィードバックを付けるサービスはリピーターが多い。人事適性検査をフル活用した独自のスキームにより、企業と人のベスト・マッチングを提供している。

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