準正社員採用しやすく、政府がルール、人材移動促す

人事ニュース

3月14日 日本経済新聞からの抜粋+一部編集です。

 

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準正社員採用しやすく、政府がルール、人材移動促す

 

政府は職種や勤務地を限定した「準正社員」の雇用ルールをつくる。

15日に開く産業競争力会議で提案し、6月にまとめる成長戦略の柱とする。

職種転換や転勤を伴わない分、企業は賃金を抑え、事業所の閉鎖時に解雇しやすい面がある。

労働者は人生設計にあった働き方の選択肢が増える。

人材移動を促して産業構造の転換に柔軟に対応できるようにし、日本経済の底上げにつなげる。

 

日本の労働法や判例では、人員削減する企業は解雇回避の努力や人選・手続きの妥当性などの条件を満たす必要がありハードルが高い。

このため企業は正社員ではなく解雇しやすいパートを増やしがちだ。

正社員は仕事がなくても社内に残り産業の新陳代謝が進まない要因になっていた。

企業が正社員とパートの中間的な位置づけで地域や職種を限定した準正社員を雇いやすくなるよう政府が雇用ルールをつくる。

人事制度上の扱いや雇用契約、事業所閉鎖時の対応で一定の基準を示し、解雇の際の訴訟リスクを減らす。

 

現在の法制でも地域や職務を限定した雇用契約は認められるが、多くの企業は解雇した場合の訴訟リスクを恐れ、定着していない。

 

経団連は

「いざという時の使用者側の雇用保障の責任がはっきりせず、活用しにくい」

とルールの明確化を求めていた。

 

準正社員の賃金水準は正社員の8~9割だが、期間の定めのない無期雇用で、社会保険にも加入できる。

パートや派遣などの非正規社員より生活が安定する。

出産を機に退社していた女性の正社員が子育て期間だけ準正社員として働く選択肢も生まれる。

 

流通業や製造業などの一部の企業はすでに準正社員制度を採用しており、そうした事例を周知していく。

パートなど非正規社員を準正社員に転換させる企業への助成制度も拡充する。

産業競争力会議や経済財政諮問会議の民間議員は、雇用形態を多様化し成長分野への人材移転を促すよう求めていた。

 

労働組合側は準正社員を増やすことに慎重だ。

連合は企業が正社員をより限定的にしたり、正社員の一部を準正社員に切り替えたりするのではと懸念し、安易な人件費削減に使われる可能性があると反発している。

 

大手百貨店は正社員とパートの中間的な職種を独自に導入。

1年ごとに雇用契約を更新する契約社員が高島屋は正社員とほぼ同数いる。

三越伊勢丹は正社員の3割程度で今春から採用を拡大する。

福利厚生などは正社員に準じ、要件を満たせば正社員への登用試験の受験資格も与える。

 

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「準正社員」。

新たな雇用形態の形が、政府主導で始まるのでしょうか。

 

雇用形態の流動性に関しては、様々な意見がありますよね。

感覚で言えば、慎重論の方が多いように思いますが。

 

どのような形であれ、「雇用の流動化」に関しては今後さらに注目されていきますよね。

 

 

尾登 正幸

ブログ著者:尾登 正幸

埼玉県出身。大学3年生の就職活動期に “人生を楽しむことを手伝える” 仕事での起業を決意。同じ志を持つ仲間と3年後の会社設立を目標として共有し、ノウハウを得るため2006年に人材派遣会社に就職した。2008年12月、仲間と共にRAYERED(株)を設立し、2010年からは代表取締役に就任。ビジョンの共有を核とする人事コンサルティングや、人事適性検査にフィードバックを付けるサービスはリピーターが多い。人事適性検査をフル活用した独自のスキームにより、企業と人のベスト・マッチングを提供している。

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