高島屋のユニークな休暇制度、「スクールイベント休暇」「リザーブ休暇」「おかえりなさい休暇」
3月24日 Sankei Bizからの抜粋+一部編集です。
高島屋:人事制度
「スクールイベント休暇」
子供の授業参観や運動会など、学校行事への参加を理由に年2回取得できる
「リザーブ休暇」
育児や不妊治療のための休暇にあてられる
「おかえりなさい休暇」
単身赴任者が一時帰宅のために取得できる
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高島屋のユニークな休暇制度 社員がホッとする配慮とは?
企業の中にはユニークな休暇制度を導入しているところがあるが、大手百貨店の高島屋に「スクールイベント休暇」という、ちょっと変わった有給休暇制度がある。
子供の授業参観や運動会など、学校行事への参加を理由に年2回取得できるもの。
昨今、仕事と家庭を両立させるワーク・ライフ・バランスが関心を集めているが、一般のサラリーマンが休みの日が忙しいのが百貨店の世界。
家族と過ごせるこの休暇は、社員にとってホッとする休日になっているようだ。
堺店(堺市堺区)で紳士服売り場の課長を務める清水大介さんは、毎年この制度を利用して休みをとる。
昨年4月には、長男の小学校の入学式の日に取得した。
次男がまだ小さく、妻が長男の学校行事に参加するにも、次男の面倒をみないといけないため、
「結局、家族4人で参加することにならざるをえない」
からだ。
小売りの最前線である売り場の責任者である清水さんにとって、たとえ1日でも職場を離れることには不安がある。
しかし、子供にとっては、こちらはこちらで入学式は学校生活への期待と不安でいっぱいだ。
「やはりそんな時こそ、親として子供のそばにいてやりたい」
と話す。
いつも帰宅する頃には、子供たちは夢の中。
それだけに
「子供たちががんばっている姿は、その場できちんと見届けたい」
という思いも強い。
入学式や授業参観は午前中で終わる。
運動会や学芸会なども午後には終了し、その後は家族そろって食事をするなど、親子水入らずのひとときを過ごす。
この
「スクールイベント休暇」という休暇制度は、一般の企業ではあまり見られない。
百貨店ならではといえる。
というのも、百貨店は週末が稼ぎ時。
学校の行事が週末にあっても、おいそれと有給休暇は取りづらい。
高島屋はかつて水曜日を定休日としていたが、いまは事実上、元日以外は定休日というものはほとんどなくなってしまった。
そのうえ、
「経営の効率化で、従業員の数も年々減っており、休暇をとりたいとは言い出しにくい雰囲気ができてしまった」
と、中川荘一郎・人事政策担当次長は話す。
また、百貨店はもともと女性社員の割合が高い職場だけに、家庭に戻れば母親としての役目もある。ワーク・ライフ・バランスへの関心が次第に高まっていくなかで、対応が必要になってきたという事情もある。
そこで同社は、育児や介護などの際に取得できる休暇や休職制度を昭和61年から順次導入し、体制を整えていった。
スクールイベント休暇もその一環で、平成19年に導入した。
スクールイベント休暇は正社員だけでなく、アルバイトや契約社員も対象で、希望する取得日の前月上旬までに申請する。
申請を受けて、上司は勤務シフトを調整して休暇を取れるようにする。
同社にはこの制度以外にも、
失効した有給休暇を積み立てて、育児や不妊治療のための休暇にあてられる「リザーブ休暇」、
単身赴任者が一時帰宅のために取得できる「おかえりなさい休暇」
といったユニークな休暇制度もある。
清水さんは、休暇を取ることで仕事へのモチベーション(動機付け)が上がったことを実感するという。
また、仕事を進める上でも、分担しながら協業できる体制を普段から心がけるようになり、
「気軽に休暇が取得できる職場の雰囲気づくりに努めている」
と話す。
管理職として大切な仕事である。
「子育ての経験で得たスキルを、仕事でも生かしてほしい」
と中川次長。
思う存分仕事ができるのは、やはり家族の支えがあってこそ。
スクールイベント休暇は、そうした家族の大切さを再認識する貴重な機会になっている。
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素晴らしい人事制度ですよね。
まさに、思う存分仕事をする為には、家族の支えがあってこそ…だと思います。
企業として利益を追求していく事は勿論ですが、従業員の幸せも考えられるような制度も導入すべきですよね。
可能であるならば、中小企業にも是非広がってほしい制度ですよね。