【人事適性検査 人事の歴史2】
【人事適性検査 人事の歴史2】
RAYEREDは、人事適性検査のご紹介を中心に業務を行っております。
今でこそ、人事適性検査というのはたくさん世に出回っております。
その数、少なくとも80種類以上。
内容も様々で、目的に応じて使い分けるべきですよね。
そこで現在、人事適性検査を知る為にも、人事の歴史を振り返っております。
社会の変化、人事の変化が、人事適性検査の変化に繋がってくるのですよね。
社会が変れば組織も変わり、制度も変わり、求められる人材も変わってきます。
人事の歴史を紐解く事で、未来予測もしやすくなります。
「人事」の業界においても、先人の教えを学ぶ事、歴史を学ぶ事は大事だと思います。
【日本の経営 著者:ジェームス・C・アベグレン】
第1章 アジアの工業―日本の事例
第2章 決定的な違い―終身の雇用
第3章 人材の採用
第4章 報酬と報奨の制度
第5章 職階、昇進、公式の組織
第6章 従業員の生活に占める企業の地位
第7章 日本企業の生産性
第8章 日本産業の継続性と変化
「第2章 決定的な違い―終身雇用」のまとめです。
・日本…従業員は会社の一員であり、会社と従業員の関係は「終身」
・それぞれの地域の特徴
日本…恒久的な関係
欧米…契約関係
米国…移動性が高い
・日本式雇用の問題…①技術の変化、②経済の急激な変動
・終身雇用制度(日本式制度)は、様々な点で密接に関連している
・終身雇用制度は、グローバルな世界では不利である…
と結論付ける前に、側面を検討した上で、変更した際の影響も見ていく必要がある
やはり、「雇用」に関する考え方の違いが、第2章ではキーポイントになるかと思います。
日本では、恒久的な関係という事で、まさに終身雇用です。
しかし、欧米や米国では違うのですよね。
そもそも、終身雇用という考えは存在せず、あくまでも契約関係というニュアンスが強いのです。
それは文化的なものであるので、従業員も十分に理解しています。
彼等/彼女等にとっては、どこの企業に働くのか…というのはあまり重要ではなく、その企業で何をするのか…というのが重要になってくるのですよね。
例えば、中国は金銭に関して非常にシビアで有名です。
慣れ親しんだ職場であったとしても、別の職場が1円でも高ければ、そちらの職場に移ってしまう。
もちろんすべてではないにせよ、几帳面と言うかお金に細かい方が多いように思います。
雇用に関する事は、日本の方が特殊である…と思った方が良いようです。
世界から見たら、少数派のようですね。
終身雇用にも、メリットがあればデメリットもあります。
メリットとしては、忠誠心とか技術の蓄積などがまずは挙げられます。
日本の製造業の強みとは、まさにこの点にあるのではないでしょうか。
また、定年まで働けるというのはモチベーションに繋がったりしますよね。
一生身をささげるという気持ちでいれば、会社に対しての思いやりが変わってきます。
(逆に気持ちに余裕が出てきてしまってモチベーションが下がる…事も大いに考えられますが)
デメリットとしては、
・経済の急激な変化にしづらい
・技術の進歩による効率化をどう社内に組み込んでいくか
等があります。
完全に効率を重視していくならば、できるだけ少ない人数で…と考えます。
技術が進歩していくという事は、効率が上がっていくという事。
それは、人員過剰…という、問題も引き起こしてしまうのです。
勿論、効率が上がるのはいい事です。
しかし、日本は解雇しづらい国。
人員削減は、気軽に行えません。
その結果、子会社に出向するようになったり、無理やり役職や仕事を創ったり。
様々な問題が出てきたります。
終身雇用にも良い面と悪い面があります。
グローバル時代だから完全に終身雇用をなくせ…というわけではなく、自社のスタンスに応じた形にすべきだと思います。
メリット・デメリットを把握した上で、人事戦略や人事制度等を構築していく。
それが、求められているように思います。
後にも述べますが、工業化真っただ中だった頃は、まさに学歴社会真っただ中。
【偏差値の高い大学に入る=大手企業に入社できる=人生・生活が安定する】
という構図が成り立っていました。
終身雇用という考え方があるからこそ、「採用」に関しても強く意識すべきであったはずです。
一度入社してしまえば、定年までは面倒を見るわけですから、いかに採用が大事であったか。
だからこそ、
「偏差値や基礎能力を診断できるもの…基礎能力診断型の人事適性検査」が生まれた
たわけでしょうし、当然の事と言えば当然の事です。
それを診断できるような人事適性診断が求められた…という事ですよね。
3章以降では、日本の「人事」に関して、さらに深堀していく事になります。