「勤労意欲が低い=短期退職」というのは間違っている:人事目線での現場のリアル
適性検査を用いて組織のコンサルティングをすると、様々な人間模様が見えてきます。
今回は「『勤労意欲が低い=短期退職とは限らない」です。
ヒトが複数集まれば、育ってきた環境も違いますし、様々な価値観がそこには存在します。
採用時においても、組織分析をしたケースにおいても、「勤労意欲」というのは非常に重要なファクターとなります。
いわゆるモチベーション。
当然、モチベーションは高いほうが良いです。
しかし、ここで勘違いしがちなのが、「勤労意欲が低いと退職をしてしまう」という点。
これは、半分正解で半分間違った考え方なのです。
確かに、勤労意欲が低いと、会社を退職してしまう事が多いでしょう。
しかし、低いからこそそこに留まるとも言えますし、高いからこそ退職するとも言えるのです。
これは、受検者の性格にもよりますし、組織の状況にもよると言えるのです。
簡単にまとめてしまうと、
◇勤労意欲が低い場合、通常は退職してしまう
◇しかし勤労意欲が低い場合、組織の環境がぬるま湯だと、むしろ居座る
◇勤労意欲が低い場合、周りの勤労意欲も低い場合は、むしろ居座る
◇勤労意欲が高い場合、通常は熱心に働いてくれる
◇しかし勤労意欲が高い場合、組織の環境がぬるま湯だと、むしろ辞めてしまう
◇勤労意欲が高い場合、周りの勤労意欲が低い場合は、染まるケース・辞めてしまうケース・自分の信念を貫いて意識高く働くケースがある
◇勤労意欲が低くても高くても、転職に対してプラスに捉えているなら退職するし、マイナスに捉えているなら退職しない
となります。
離職率を減らしたい場合、勤労意欲が低い人材を指導すれば良いように思いますが、実はそんな単純な話ではないのです。
その原因は、受検者本人にある場合だけではなく、組織や一緒に働く仲間だったりします。
それは、自社の事だけではなく、従業員一人ひとりの事をしっかりと見なければなりません。
適性検査を用いると、様々なケースにおいて対応が可能となります。