増える朝型勤務、しかし失敗例もあり…伊藤忠商事:効率25%アップ、カルビー:朝型勤務を一律ではなく柔軟に
PRESIDENT Online
ここ最近話題になってきている「朝型勤務」。
朝と言うのは、頭がすっきりしているし、営業の電話もかかってきません。
自分の仕事が出来るという点においても、有効活用すべき時間ですよね。
朝型勤務導入という点においては、やはり伊藤忠商事が注目されているようですね。
新聞記事にも度々登場し、様々なメリットがある事が記事にされています。
◇ 20時以降の残業を禁止した結果、会議の回数は約3割、総時間数は4割減少
◇ 1日8時間かかっていた仕事が6時間で出来るようになった
など、プラス面が目立っているようですね。
最も、ただ勤務時間を朝方に変えただけではありません。
これまで行っていたようなやり方では、どうしても残業してしまう。
会議を朝にしたり、メールは読んだら即返信したり、効率を考えて色々と思考錯誤した結果です。
残業はできない、でもいい加減な仕事はできない。
となれば、頭を使い、制限のある時間内に何とかしなければならない。
朝型勤務に変更するのみならず、それを可能にするように動いたのですよね。
残業時間が減り、仕事の効率・生産性も上がる。
朝型勤務は、非常に素晴らしい制度なのだと思います。
と、ここで1つ、別の会社の例です。
「多様な人材、朝型シフト難しく…カルビー、一律8時半出社やめ、働き方柔軟に」
10月22日付 日経産業新聞
カルビーも朝型勤務を導入したようですが、一律の導入はうまくいかなかったようですね。
一時、朝8:30に原則全員が出勤するようにしていたようですが、昨年の10月からは10時出社も可能な時間帯に戻したそうです。
確かに、上記の伊藤忠商事のように朝型勤務よって効率が上がり、生産性が上がった例も存在しました。
フレックスタイム制やサマータイム制などを導入し、積極的に朝型勤務へとシフトチェンジを図りました。
しかしそれでも、朝型シフトには不満の声も少なくなかったようです。
カルビーの例で言えば、
◇ 主婦はみな朝型で忙しく、朝の時間を仕事にあてたくない
→日課のランニングの為には更に早起き、家事が残ったまま家に帰ると心が重くなる
◇ サマータイム期間中ではある夏場の残業時間が、前年比8%増
→早朝の仕事を求めても、残業は減らなかった
など、あまり適さなかったようです。
カルビーは、クワイエットタイムという始業から午前9:30までは誰とも会話してはいけない制度や、在宅勤務制度などを導入し、思考錯誤しています。
これも、どうすれば社員が働きやすくかつ生産性を上げる事ができるのか…を真剣に取り組んでいる結果です。
朝型勤務には、メリットが多数存在します。
しかし、必ずしもフィットするとは限りません。
伊藤忠商事とカルビーの例を見れば、早朝勤務が働き方の万能薬になるとは言えないのです。
多種多様な人材が職場に増えていることもありますし、業種によって合う合わないがあるのでしょう。
自社にとっての最適な人事制度は何か。
組織は常に変化するので、最適解はなかなか見つからないかもしれないし、すぐに変わってしまう可能性もある。
それでも、思考錯誤を繰り返し、より良い職場環境を作っていく。
人事・総務にとって、非常に重要な仕事の1つですよね。