カジノ、日本人規制先送り、議連が最終案
カジノの誘致に関して、メディアでも多く取り上げられるようになりました。
2020年に東京オリンピックを控えているという事もあり、急いでいるかのような動きもあります。
個人的には、カジノに関して非常に心配な点があります。
それはやはり、「ギャンブル依存症」に関して。
人事関連の仕事に携わるものとしては、見逃せないテーマです。
◇2014/10/17付 日本経済新聞
カジノ、日本人規制先送り、議連が最終案、具体化は政府に委ねる
確かに、「外貨を稼ぐ」という意味では非常にメリットがあります。
観光収入の増加は、国の財政を潤わせる事に繋がるでしょう。
このような問題は「立場」「その人の目線」「価値観」によって異なりますよね。
日本国からしたら、観光収入が増えるのでプラス。
興味のある方から見れば、日本でカジノができるからプラス。
一方、ギャンブル依存症が増える可能性があるので、マイナス。
治安が悪くなるなど、環境に良くないからマイナス。
それぞれ、色々な思惑があるでしょう。
将来の財政収入という観点(国目線)から見れば、カジノが日本にあった方が良いという見方は賛同できます。
しかし、いち個人・人事という観点から見た場合は、やはりマイナス面を考えざるを得ません。
日本がギャンブル大国である事は知られています。
パチンコ・パチスロ市場は19兆円。
マカオで2兆7,000億円、ラスベガスで5,000億円程度の市場と言われていますから、どれだけ大きな市場かが分かるかと思います。
日本は既に、世界的に見てもギャンブル大国なのです。
ギャンブル依存症と言うのは、自分の身を滅ぼすだけではなく、周囲をも巻き込んでしまうのです。
詳細は省きますが、心理学で言うところの「共依存」を引き起こします。
親兄弟が実はギャンブル依存症を増長させ、手助けしてしまっている可能性もあるのです。
ギャンブルに興味がない人は、借金してまでギャンブルをしてしまう人をバカだなぁと思うでしょう。
なぜそんなものに、形のないものに、どうせ勝てないのに、そこまでつぎ込むのだと。
ギャンブル依存症は病気なので、確かに脳の状態が「異常」であるとは言えるかもしれません。
しかし、自分の興味のある事に目を向ければ、多少気持ちも分かるかと思います。
なぜ、身体に良いことなんて1つもないのに、タバコを吸うのか。
なぜ、身体を壊すまで、毎日お酒を飲むのか。
なぜ、ダメな事だと分かっていても、浮気・不倫を繰り返すのか。
興味のない人からすれば信じられなくとも、本人からすれば「その行動をとりたい」のです。
種類は違えど、根本的な部分は共通しているのではないでしょうか。
やめようと思っても簡単にはやめられない。
ギャンブル依存症と言うのは、それぐらい怖い病気なのです。
しかも、「治る」事はないと言われているから、尚更たちが悪い。
あくまでも「潜伏」するだけで、「完治」はしないのです。
当然、ギャンブル依存症になれば、仕事に対する集中力も欠如します。
ギャンブルの事ばかり頭がよぎり、仕事は二の次。
パフォーマンスが上がるわけもありません。
「外貨の獲得」という大枠を捉えればプラスなのですが、「いち個人」という観点から見ると、やはりマイナス面が強調されます。
カジノにハマる、ギャンブル依存症に陥る事でプラスになる事なんか、1つもありません。
ですから、政府が「安全」「安心」「国にとってプラス」というのは当然の事です。
日本国目線で言えば、プラスなのですから。
しかし、私たちは「いち個人目線」でも捉えるべきなのだと思います。
ギャンブルをするかしないかは当然個人の自由です。
するなとは言いませんが、できるだけ避けるべきであるのではないでしょうか。
ギャンブル依存症は、誰にでもかかりうる病気です。
お金持ち、貧乏、生活保護者、老若男女、属性はまったく関係ありません。
「誰しもが」かかる病気なのです。
ギャンブルはやらないこと。
それが1番であるというのが、個人的見解です。