大学の教育改革、世界で活躍できる人材を育てる…「スーパーグローバル大学創成支援」文部科学省
グローバル人材の育成は、日本にとって大きな課題となっています。
企業が独自に育成する事は勿論の事、教育機関でも「改革」が行われ始めています。
※5月20日 日経産業新聞:世界で活躍できる人材を育てる…大学の教育改革
文部科学省は「スーパーグローバル大学創成支援」を打ち出しました。
2014年度の予算において、77億円を確保したそうです。
大学の国際競争力を高め、グローバル人材の育成を促す狙いなのでしょう。
グローバルな動きで最近頻繁に取り上げられていたのは、東京大学の秋入学の件ではないでしょうか。
企業も秋採用や通年採用を少しずつ広げていますが、大学においても秋入学をしようと。
海外の動きに合わせ、優秀な学生を海外から招きいれようとした施策です。
しかし、最終的には反対勢力に押し切られ、実現する事はありませんでした。
それでも、今後の事を考えれば、大学も変わらざるを得ないでしょう。
独自の路線を築き上げなければ、大学も生き残っていく事はできません。
その理由の一つが、2050年問題に題される人口減少。
インターンを手掛ける某大学のキャリアセンターに確認した事ですが、大学側も非常に強い危機感を抱いているとの事でした。
「現在750校近くの大学が日本にあるが、ここ十数年で150校前後にまで淘汰される」
と予測しているのだそうです。
学生の減少に伴い、大学も統廃合が行われていくだろうと。
大学側も生き残りをかけ、苦心しているというのです。
大学によっては、学長自ら企業に営業をしています。
詳細は控えますが、その理由の1つは就職率を挙げる為。
「就職率」というのは、保護者を始めとして大学の印象にも直接繋がります。
大学にとっては、まさに至上命題とも言える課題なのですよね。
上智大学では、「総合グローバル学部」を創設しました。
龍谷大学では、15年度に設置する「国際学部」の一部学科で卒業要件に英語試験の点数を設けます。
学習院大学は、16年度に「国際社会学部」を創設する計画です。
企業で求められている人材を創出する為に、大学側は動き始めています。
また、文科省が14年度に新たな留学制度、「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」を開始しました。
三菱商事は7年間で5億円の寄付を決め、ソフトバンクは3年間で総額10億円を寄付するそうです。
他にも、トヨタ自動車を含めた54社・団体が寄付したそうで、66億円もの金額が集まったとの事。
このプログラムは、企業の寄付などから1人あたりの学費として最大30万円、生活費として月12万円~20万円を支給する…というもの。
対象は、世界大学ランキング上位100校への留学、新興国でのインタンシップなどに限定しています。
産官学、グローバル社会への対応として色々と動いています。
現在直接は関係なくとも、将来的にはこれらの教育を受けた人材が部下として入社してくる可能性があります。
「俺・私には関係ない」ではなく、強く意識しておくべき動きだと思いますね。