キャリア・クライシス…30代前半のビジネスパーソンの多くが経験する「キャリアの決断前後における不安」

人事ニュース

 

人事関連の情報を収集していると、時にキャリアに関する記事を目にする事があります。

今回は、キャリア・クライシス…30代前半のビジネスパーソンが描く将来の不安。

30代前半の特徴とも言える、キャリア不安に関する記事が多く見受けられました。

 

 5月23日 日経産業新聞:キャリア・クライシス、仕事の荷重感も高まる

 5月22日 日経産業新聞:キャリア・クライシス、「決断」への不安、反映

 5月21日 日経産業新聞:キャリア・クライシス、30代前半に危機

 

30代前半と言うのは、確かに自分を見つめなおす機会なのかもしれません。

 ・大卒であれば社会人として7~8年目

 ・仕事にも慣れてきた

 ・一定の責任、予算を持てている

 ・20代という「若さ」ではなく、30代という「中堅」のイメージ

 ・30歳(代)という節目

様々な理由があるでしょうね。

 

孔子のまとめた「論語」でも、以下のような件があります。

 

「子の曰く、吾れ十有五にして学に志す。

 三十にして立つ。

 四十にして惑わず。

 五十にして天命を知る。

 六十にして耳順(したが)う。

 七十にして心の欲する所に従って、矩(のり)を踰(こ)えず」

 

つまりは、

 

「15歳で学問を志す(志学)、

 30歳で自らの立場を確立する(而立)、

 40歳であれやこれやと迷わなくなる(不惑)、

 50歳で天命をわきまえる(知命)、

 60歳で人の言葉を素直に聞けるようになる(耳順)、

 そして70歳で自身の欲に従って行動しても道理を外すことはなくなる(従心)」

 

と読むのだそうです。

孔子は、自らの人生を振り返り、このような事を思ったのでしょうね。

 

振り返ってみれば、30歳の時点で自分の周囲が少しざわめきだっていたような気がします。

結婚しした友人、30歳という区切りで転職や起業しようとしていた友人、30歳になった事で役職が付いた友人、そして転勤した友人…。

入社してまもなくの頃は、目の前の仕事に一生懸命でした。

 

しかし、歳を重ねるに連れて周囲の状況も変わってくる。

そこで、一度自分の人生を振り返る時期…それが30歳(30代前半)なのかもしれません。

 

「このまま今の仕事を続けていいのだろうか?」

「自分の選んだ会社やキャリアは本当に間違っていないのだろうか?」

「もう30過ぎ、転職するなら今がラスト・チャンスじゃないか?」

「周りはもう結婚している…自分は?」

「友人は課長に昇進したり、起業している友人もいる…自分は?」

「20代は非正規でもやってこれたが、30代はどうだろう?」

 

色々と思い悩む時期ですよね。

これは、多くの30歳(30代)が通る道なのだと思います。

 

個人的に思うのは、安易に転職・起業をしない事だと思いますね。

「隣の芝生は青く見える」…なんて言いますが、本当にその通りだと思います。

 

・起業している人間は輝いて見える

  →裏では、必死の努力があります

・部長・課長という役職が付くとカッコイイ

  →押しつぶされそうなプレッシャーと常に戦っています

・転職をすれば、今よりも良い環境になるかもしれない

  →今よりも良い環境を求めての転職…多くの場合はうまく行きません

   給与面も同額もらえれば良し、人間関係はまた一から構築、場合によっては年下が上司

 

現在の環境を変えようと思うならば、それ相当の覚悟が必要だと思います。

前向きな転職でなければ、しない方がマシなのではないでしょうか。

もちろん、状況によって異なる事は言うまでもありませんが、転職をすれば何もかもが良くなる…なんて事はありえません。

どの企業にも、どの仕事にも、辛い面というのはあるものです。

転職をすれば、全てが自分の思い通りになる…なんてことはありえないのです。

 

将来の不安と言うのは、誰しもが描くもの。

節目とも言える30歳(代)では、当然といえば当然かもしれません。

 

「周囲に影響されすぎず、自分は自分と考える事。

 他人はあくまでも他人である。

 自分の人生は、自分で責任をもって決断するべきであり、他人に関与されるものではない。

 焦らず、周囲の目を気にしすぎず、落ち着いて将来の事を見つめる。

 

 人生とは、他人の為に生きるものではなく、自分の為に生きるものである。

 それで良い。

 他人に迷惑をかけなければ、それで良い。

 色々な事に感謝していれば、それで良い。

 世間体が気になる、○○の為に生きる…そう思うからこそ、心が苦しい。

 

 お金を得る事、役職を手にすること、起業すること、それは人生の目的ではなく手段。

 自分の想い描く人生、こう生きたい・こうありたいと思うのがそれなら、そうすれば良い。

 自分の道を突き進めば、必ずうまくいく。

 

 キャリアにおける自分の決断は、全て正しい。

 困難な災難が降りかかってきても、それは全て自分にとって必要な試練。

 乗り越えられない試練は、降りかかってこない。

 

 『悩む』という事は、成長しようとしている証である。

 自分の経験や能力の許容範囲を超えているからこそ、不安になり思い悩む。

 悩んでいる事はむしろ素晴らしい事で、乗り越えられた時には一皮むけた自分がいる。

 悩んでいない事、それはすなわち現状に満足し、チャレンジをしていない事と同義である。

 

 悩むべし。

 それこそが人生。

 それこそが未来の自分を創りだす。

 

 30歳(代)なんて、人生から見ればまだまだ長い。

 やり直そうと思えば、いくらでもやり直せる。

 焦らず、じっくりと行けば、必ず道は開かれる。」

 

今の自分にも、たくさん悩み事と言うのはあります。

しかし、そこから逃げることなく、一つ一つ向き合う事が自分にとって最善な事だと思っています。

悩み・課題があるからこそ、成長できるのだと思います。

 

個人的に思う人生の目的。

それは、「社会貢献」にあると思っています。

世のため人のため、それが最終的な人生の目的なのではないでしょうか。

 

「死してなお、何を世に残すのか」

 

それを、常に考えるようにしています。

 

30代はまだまだ、自分の事で精一杯。

歳を重ねて余裕が出てきた時に、社会貢献をより意識できたらいいですよね。

 

 

 

 

尾登 正幸

ブログ著者:尾登 正幸

埼玉県出身。大学3年生の就職活動期に “人生を楽しむことを手伝える” 仕事での起業を決意。同じ志を持つ仲間と3年後の会社設立を目標として共有し、ノウハウを得るため2006年に人材派遣会社に就職した。2008年12月、仲間と共にRAYERED(株)を設立し、2010年からは代表取締役に就任。ビジョンの共有を核とする人事コンサルティングや、人事適性検査にフィードバックを付けるサービスはリピーターが多い。人事適性検査をフル活用した独自のスキームにより、企業と人のベスト・マッチングを提供している。

レイヤードブログ一覧へ戻る