適性検査③:スポーツ業界から学ぶ適性検査の必要性、スカウティングの重要性

人事適性検査

 

適性検査に関して、色々とご紹介していきたいと思います。

ニッチな商品・業界だからこそ、よく知らないという方も多いのではないでしょうか。

 

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【適性検査に関して】

① 適性検査はお客様アンケートと同じ

② 適性検査の選び方、目的に応じた使い分けを

③ スポーツ業界から学ぶ適性検査の必要性、スカウティングの重要性

④ 使いこなせていない適性検査、導入するだけでは弱い

⑤ 業界初のサービス【適性検査+フィードバック】

⑥ 適性検査の死角、限界

⑦ IT化が進んで効率化されても、採用の本質的な部分は変わらない

  ~人間は感情・理性のある「ナマモノ」であり、機械ではない~

⑧ 適性検査を売っている営業マンも、実は使いこなせていないし理解していない

⑨ 適性検査の価格

⑩ 人材派遣・人材紹介ビジネスの矛盾、マッチングは興味無し、知識も無し

⑪ 採用時における適性検査の導入事例

⑫ 組織分析における適性検査の導入事例

⑬ まとめ:適性検査って結局どうなの?

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【③ スポーツ業界から学ぶ適性検査の必要性、スカウティングの重要性】

 

適性検査と聞くと、あまり良い印象をもたれない方もいるのではないでしょうか。

・そんなもので何が分かる

・たった数十分で俺/私の事を決め付けるな

・占いと同じでは…だから信じない

・長年人事に携わってきた、だから必要ない

などなど。

 

確かに、適性検査で人間性の全てが分かるわけではありません。

活躍できるかどうか、成長するのかどうか、100%見抜けるわけではありません。

これは、全ての適性検査に言える事です。

適性検査とは、あくまでも「統計学」なのです。

 

私が推奨している適性検査であれば、数十万人のデータを主に用いてシステム化されています。

そこから、性格や行動特性、モチベーションなどを診断していきます。

全て数値化されて出されてきますが、それはいわば偏差値。

数十万人のデータから抽出した平均値と比べ、比較的高い・低い数値が出れば、その人の性格的・行動特性的・モチベーション的特徴…という事になります。

 

後日「適性検査の死角、限界」で詳しく述べようと思いますが、あくまでも統計学なのです。

モノを扱っているわけでもなく、機械を扱っているわけでもありません。

人間というナマモノを扱っているわけです。

十数分のアンケートにより、その人の全てを理解するというのは、確かに難しいかと思います。

 

しかし、100%の分析は無理でも、80%~90%の的中率であれば可能であると思っています。

現に、私が推奨している適性検査に関しては、性格・行動特性・モチベーションの部分では、かなり的中率が高いです。

 

クライアントからも、その点は高評価を頂いております。

書籍にその点を載せて下さる方もいれば、RAYERED独自の解説サービスである「フィードバック」を求めて来られる企業様もいらっしゃいます。

メディアでも取り上げて頂きました。

色々な適性検査を見比べてきましたが、トップクラスであると自信を持って言えます。

 

たかが適性検査じゃないかと思うかもしれませんが、されど適性検査です。

 

経済界において、適性検査はかなり重要な役割を担っています。

経済界の採用活動は、かなり日程的にもデータ的にも不足しているからです。

それは、同じく結果に厳しいスポーツ業界と比べても明らかです。

 

スポーツ業界は、基本的に契約制であり、解雇に関しては非常に寛容です。

結果を残せない者、将来が見込めない者は、早期に戦力外通告を受けます。

外部からバッシングもされます。

経済界のダメ上司のように、部下を働かせて自分は働かない…という事が通用しません。

言ってしまえば、脂肪が少なく非常に筋肉質な組織であると言えます。

 

結果に厳しいスポーツ業界が重視している事…それは「スカウティング」です。

契約する人材、つまりは採用する人材に関して非常に力を入れているのです。

 

スポーツ業界には「スカウト」という専属の採用活動を行う方がいます。

活動期間は1年以上。

長い期間をかけて、野球で言えばドラフト候補者、サッカーで言えば入団候補者を見定めていきます。

 

その際、多数の客観的データが存在します。

野球で言えば、打率、本塁打数、盗塁数、勝率、防御率などなど…。

サッカーで言えば、得点数、アシスト数、試合出場時間、走行距離などなど…。

主観的ではなく、客観的なデータとして全て入手可能です。

 

また、実際に自分の眼で確かめる事もできます。

試合に足を運べばプレーしている姿を見れますし、高校や大学に足を運ぶ事もできます。

監督に話を聞き、選手の特徴なども聞き出す事ができます。

さらには、選手とも話をする事が出来るのです。

 

1年以上の期間をかけ、客観的なデータも見ることができ、実際に自分の眼でプレーしている姿を見ることができる。

監督や選手本人とも話をする事もできます。

そうやって、ドラフト候補者・入団候補者を絞っていくわけです。

 

それでは、経済界はどうでしょうか。

採用の期間は12月~開始、数ヶ月で内定が出ます。

大手企業であれば、4月~開始、数ヶ月で内定という企業もあるでしょう。

優秀な学生の獲得合戦という事もあり、いずれにせよ採用活動の開始後数ヶ月で内定を出す事になります。

 

面接の時間は、合計しても数時間。

1次・2次・3次面接を行ったとしても、たいして時間を割く事はできません。

 

そういう意味では、インターンというのも非常に重要な制度ですよね。

しかし、インターンも人数は限られていますし、それだけで入社予定人数をうめる事は難しい。

人気企業ならまだしも、通常は一般からも募集を募らなければなりません。

 

客観的なデータというよりかは、かなり主観的な要素が入ったエントリーシートや履歴書が主なデータ。

仕事っぷりを実際の眼で確認する事はできませんし、学生時代の恩師・教授は勿論、本人と直接話をする事も難しい。

スポーツ業界と違い、文系は特に実績を見ることが出来ず、「期待採用」という事になります。

 

スカウト専属の人間がいて、期間もたっぷり取れて、客観的なデータもあり、自分の眼で確かめる事もできる。

さらには、監督や選手本人とも話ができるスポーツ業界。

それに比べ、採用専属の人間がいる企業は少なく、期間も短期で、主観的要素の多いデータしかなく、自分の眼で仕事ぶりを確かめる事もできない。

さらには、恩師や教授はもちろん、採用前に学生と話をする機会も非常に少ない経済界。

 

経済界の採用活動と言うのは、スポーツ業界に比べ、圧倒的に時間も情報も少ないのです。

どんなに企業の人事採用担当者が面接回数をこなしてきたとは言え、プロスポーツのスカウトですら、長い期間と多数のデータを用いてスカウト活動を行っています。

 

それでも、選び抜かれた精鋭を入団させても、活躍するかどうかは分かりません。

それぐらい、採用活動と言うのは難しいのですよね。

高校時代・大学時代に活躍していたからと言って、その後も活躍するとは限らない。

その逆もまたしかり…です。

 

では、なぜそこまでしてスカウティングに力を入れているのか。

 

それは、

「誰を入団させるかによって、勝つか負けるかがある程度決まってしまう」

という事を認識しているからですよね。

 

ペナントレースで優勝する為には、リーグ優勝を果たす為には、優秀な人材が必要。

W杯で勝つ為には、WBCで勝つ為には、優秀な人材が必要。

だからこそ、選考過程には非常に力を入れている。

結果を残さなければならないという使命感・危機感があるからこそ、「誰を自分の船に乗せるのか」を重要視しています。

それが、結果を残す為に必要な事だからです。

 

その際、 スカウトは、監督の戦略や戦術を深く理解していなければなりません。

監督の求めている事、価値観、方向性。

それを監督と同じレベルで理解する事で「優秀な人材」がどういう人材なのか…が分かるのです。

 

本田圭佑選手も、ザッケローニ監督の中では優秀な人材と判断されていますが、他の監督・チームでは分からない。

香川真司選手も、ファーガソン監督の中では優秀な人材でしたが、モイーズ監督の中では序列が下がりました。

 

これは1つの例ですが、チームによって戦略・戦術は違いますし、監督によっても違います。

つまりは、チームや監督によって、優秀な人材の定義が変わってくる事になります。

上記のケースは、文化的な要素や差別的な要素も含んでいるのかもしれませんが、基本的には監督の戦略・戦術が大きな理由でしょう。

 

経済界も同じで、人事採用担当者は、社長・経営者のレベルで感覚を研ぎ澄まさねばなりません。

企業の方向性、戦略、戦術、社風などを理解する事により、優秀な人材の定義が出てきます。

人事部と言うのは、まさに経営層と同じレベルの目線でいなければなりません。

そうでなければ、充実した採用活動は行えないでしょう。

 

適性検査は、圧倒的に不足している情報を補うツールとして、活躍してくれるでしょう。

エントリーシート、履歴書のみならず、適性検査を用いる。

ないよりは当然あった方が良いし、マッチング率も上がるはずです。

その実績・ノウハウが、RAYEREDにはあります。

 

上記にした通り、100%完璧に分かるわけではありませんが、それでも貴重な情報です。

コストも、それほど大きくありません。

勝つ為には人材が必要だと考えれば、必要経費とも言えるでしょう。

 

さらに言えば、適性検査の情報は、教育研修にも使用する事が出来るのです。

上司と部下の最適なコミュニケーションを図るツールとしても使えます。

 

採用時の際のみに使用している企業が多いのですが、実はその後にも役立てる事ができます。

個々人の特徴が分かるという事は、強み・弱みが分かる…という事です。

また、相手の事を理解する・知る事がコミュニケーションの基本であり、適性検査を用いれば見えない部分が見えてきます。

適性検査が、結婚相談所などのマッチングビジネスに用いられているのもその為です。

 

適性検査と聞くと、拒否反応が出てしまう方もいるかもしれません。

しかし、採用時の事を考えれば、非常に重要な事なのです。

スポーツ業界と比べてみると、その点がよくお分かり頂けるのではないでしょうか。

 

最近で言えば、サッカー日本代表のケースで、

「何であいつをスタメン起用しないんだ」

「何であいつを使い続けるんだ」

「なぜあいつをW杯のメンバーに入れないんだ」

という声が聞こえてきます。

 

実は、無意識というか感覚で「誰を選ぶのか」という事の重要性を認識しているのですよね。

それは、当然「誰を選ぶのか」によって、勝つか負けるかが決まる事を深く理解しているからです。

本気だからこそ、重要視している。

これは、企業の採用活動であっても同じであるべきですよね。

 

最も、中小企業に関して言えば、優秀な人材がそもそも来ない…という悩みもあります。

それでも、適性検査は使用するべきです。

採用活動が重要な事である事は勿論の事、入社後にも使える貴重なデータですし、何より入社をさせる為の「口説き」にも使えます。

どの部分を刺激すると心に刺さるのかも、分かってしまいますので。

 

いずれにせよ、たかが適性検査、されど適性検査。

その重要性が、お分かり頂けたのではないでしょうか。

 

採用活動は、全社的に非常に重要なプロジェクトだと思っています。

充実した採用活動を行う為に、更には継続した事業活動を行っていく為に、適性検査は役立ってくれる事かと思います。

 

次回は、「使いこなせていない適性検査、導入するだけでは弱い」をテーマにご紹介していきたいと思います。

 

 

尾登 正幸

ブログ著者:尾登 正幸

埼玉県出身。大学3年生の就職活動期に “人生を楽しむことを手伝える” 仕事での起業を決意。同じ志を持つ仲間と3年後の会社設立を目標として共有し、ノウハウを得るため2006年に人材派遣会社に就職した。2008年12月、仲間と共にRAYERED(株)を設立し、2010年からは代表取締役に就任。ビジョンの共有を核とする人事コンサルティングや、人事適性検査にフィードバックを付けるサービスはリピーターが多い。人事適性検査をフル活用した独自のスキームにより、企業と人のベスト・マッチングを提供している。

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