適性検査②:適性検査の選び方、目的に応じた使い分けを
適性検査に関して、色々とご紹介していきたいと思います。
ニッチな商品・業界だからこそ、よく知らないという方も多いのではないでしょうか。
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【適性検査に関して】
① 適性検査はお客様アンケートと同じ
② 適性検査の選び方、目的に応じた使い分けを
③ スポーツ業界から学ぶ適性検査の必要性、スカウティングの重要性
④ 使いこなせていない適性検査、導入するだけでは弱い
⑤ 業界初のサービス【適性検査+フィードバック】
⑥ 適性検査の死角、限界
⑦ IT化が進んで効率化されても、採用の本質的な部分は変わらない
~人間は感情・理性のある「ナマモノ」であり、機械ではない~
⑧ 適性検査を売っている営業マンも、実は使いこなせていないし理解していない
⑨ 適性検査の価格
⑩ 人材派遣・人材紹介ビジネスの矛盾、マッチングは興味無し、知識も無し
⑪ 採用時における適性検査の導入事例
⑫ 組織分析における適性検査の導入事例
⑬ まとめ:適性検査って結局どうなの?
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【② 適性検査の選び方、目的に応じた使い分けを】
適性検査と言っても、世の中にはたくさんの種類の適性検査があります。
その種類、実に数百種類。
細かいものも含めると、かなり数多くの種類の適性検査があります。
適性検査はどう選んだら良いのでしょうか。
それには、いくつかポイントがあります。
Ⅰ 企業の経営理念や目的に応じて選ぶ
Ⅱ 選考過程の進捗状況に応じて使い分ける
Ⅲ 対策が出回っていないものを選ぶ
というのが主な選び方かと思います。
Ⅰ 企業の経営理念や目的に応じて選ぶ
当たり前の事ですが、企業によって経営理念や運営方針というのは異なってきます。
当然、選考における採用基準も異なれば、求める人材像も変わってくるものです。
基本的な事として、採用に携わる者は、会社の経営理念や社風・運営方針等を熟知していなければなりません。
人事担当者や管理部の人間が社長の近くにいる理由も、その1つです。
社長の価値観、考えている事、戦略、戦術…。
それらを敏感に感じ取る必要があり、それを実現できそうな人材を採用する必要があります。
人事部と言うのは一見軽視されがちですが、経営資源の最も重要な「ヒト」に関わる仕事を任されています。
企業が成長・発展していく為には、人事部の価値を上げていく必要があります。
外資のように部長職に人事権がある場合、または小売店のように店長に人事権がある場合などは、異なってきますが…。
どちらにせよ、「ヒト」というのは、企業にとって最重要な経営資源と言っても過言ではないのです。
誰を自分の船に乗せるのか。
それは、企業の将来を左右しかねない最重要課題なのです。
今月は、サッカーのワールドカップが開催されます。
「誰をサッカー日本代表にするか」
それによって、ワールドカップで勝てるのかどうか…という事は、大きく変わってきますよね。
サッカー日本代表のザッケローニ監督にも戦略・戦術というものがあり、サッカー哲学があります。
サッカー日本代表の23人を選ぶには、非常に多くのデータ、視察、実践などを踏まえているわけです。
自分の想い描くサッカーを実現できる選手…それを、スカウトと共に探っていくわけですよね。
その後は、コーチ陣と共にスキルアップを目指し、かつ連携を深めていくわけです。
監督によって、戦い方が違います。
中央突破なのか、サイドアタックなのか。
攻撃的なのか守備的なのか。
4-2-3-1なのか4-3-3なのか。
個人技重視なのか組織重視なのか。
これは、企業における戦い方の違いとも同じですよね。
監督(企業)によって戦い方が違う分、必要とされる選手像も変わってきます。
もちろん、その国の特徴を把握し(自社分析)、他国の戦力を分析し(競合他社)、どのように戦っていけば勝てるのか。
そのような事も、しっかりと練られている筈です。
戦略や戦術、国の事情によって戦い方を変える必要がある。
つまりは、経営理念や目的によって戦い方を変える必要がある…という事ですよね。
当然、適性検査に関しても目的をもって使用するべきです。
なんでも良いというわけではない。
出てきた結果を見るだけで良いというわけではない。
しっかりとした裏づけがあってこそ、その適性検査を使用し、分析するべきです。
適性検査も、大きく分けると4つに分かれます。
・様々な様々な側面を診断できる「総合診断型」
・主に性格や行動特性等の診断を得意とする「内面特化診断型」
・基礎学力を測定するのを得意とする「基礎学力診断型」
・モチベーションのみやストレス耐性のみなど、ある一部分に特化した「1点深堀診断型」
などがあります。
弊社で推奨しているのは、総合型に近い「内面診断型」の適性検査です。
色々と診断できる適性検査ではありますが、その中でも特に優れているのが「性格・行動特性・モチベーション要因」等の内面を診断するものです。
ヒトを理解する事が、企業の繁栄に繋がる。
そのような信念のもと、内面特化型の適性検査を推奨しております。
ヒトを重視している企業にとってはかなり重宝できるものですが、学歴重視や足きりで使用したいだけの場合などには、あまり向かないかもしれません。
もちろん基礎能力検査はありますし、診断できますが、あくまでも素質・性格面に付随しているものと捉えています。
「ヒト」にこだわり、企業にとって「ヒト」は重要な経営資源である。
しっかりとした採用活動を行い、ミスマッチングをなくしたい。
そのように捉えている企業にとっては、最適なサービスをご提供できると思っております。
そうでないならば、弊社の推奨している適性検査は合わないかもしれないですね。
Ⅱ 選考過程の進捗状況に応じて使い分ける
これは、Ⅰよりは重要度が低いですが、それぞれ特徴が異なるということです。
何千人応募が来るような企業では、まずは足きり用としてWeb関連の適性検査を実施する。
その後、紙ベースの適性検査を再度受検し、面接に備える…というやり方が一般的です。
Webの適性検査にも紙ベースの適性検査にも、それぞれメリット・デメリットがあります。
◇Web適性検査
メリット:手間がかからない、より多くの候補者を選考できる
デメリット:替え玉受検が可能、対策がとれる
◇紙ベースの適性検査
メリット:精度が高い、導入が安価(値段も様々なので予算に合わせて利用が可能)
デメリット:一度に多くの候補者を受検するには手間がかかる、集計が大変
Web関連の適性検査は、主にエントリーから1次選考に絞るなど、足きりに使用する事に向いています。
紙ベースは、面接時の参考資料の1つとして、2次選考・3時選考に使用する事が向いています。
それぞれの選考状況によって、使い分ける事をお勧め致します。
つまり、弊社では面接時に使用するようなケースの適性検査をご提案しております。
一人ひとりをしっかりと分析し、採用すべき人材なのか採用すべきではない人材なのか。
その点を、フィードバック(解説)と共にご紹介をしております。
Ⅲ 対策が出回っていないものを選ぶ
これも、重要なポイントの1つなのではないでしょうか。
確かに、基礎能力検査であれば、対策をしても良いのではないかと思います。
結果的に勉強している事になりますので、悪い事ではないでしょう。
※基礎能力検査とは、英語力や論理力、図形力などを図るものです。
英語の長文読解や現代文、十進法や因数分解まで多岐にわたります。
義務教育の頃に受けた「全国学力テスト」のようなイメージです。
基礎能力向上の勉強(大学受験に類似)である為、対策は必ずしも悪い事ではありません。
問題は、「性格面での適性検査」の対策です。
適性検査によっては、性格面でも対策が出回っているのです。
このように回答すれば、良好な性格として結果が出る…というような内容です。
当然、これでは性格を正確に診断する事なんてできません。
また、ストレス耐性の適性検査に多いのですが、回答の意図が伝わりやすい質問もあるのです。
つまりは、「YES or NO」形式の問いです。
NOに○をつければ、ストレス耐性が無いと判断されるポイントが加算される。
その為、基本的には全てYESで答えた方が良い、もしくは全てNOで答えた方が良い…と書かれています。
さらにその対策本は、一般的な書店で購入できるのみならず、大学の生協でも山積みにされています。
就職活動生同士で情報を共有し、対策を立てていたりもします。
対策本が出ているのと出ていないので、大きく事情が変わってくる事は想像に難くありません。
弊社で推奨している適性検査は、基本的には対策本は出回っておりません。
さらに、信頼係数も備わっており、矛盾した回答が出た場合は数値が下がるようになっております。
いわば、ウソ発見器です。
特に、性格面での的中率は、他の適性検査に比べて群を抜いていると思います。
適性検査と一口に言っても、使い方や用途は様々です。
適性検査は、目的や用途に応じて使い分ける事が大切です。
ご理解頂けたでしょうか。
次回は、「スポーツ業界から学ぶ適性検査の必要性、スカウティングの重要性」をテーマにご紹介していきたいと思います。