2014年2月(人事、人材、グローバル関連)特に気になった項目④:移民(その他)
2月の動き:その他。
特に気になった動きをピックアップ。
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①グローバル、雇用、採用関連
②女性、保育関連
③賃金関連
④その他
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④その他
・欧州、労働者流入を警戒
・「移民」は介護から?
…外国人労働者拡大に向けて、技能実習見直し焦点
日本の人口が減少傾向にある事は、先日の記事にも伝えた通りです。
人口の減少は労働力の減少に繋がる為、経済発展にマイナスの影響を及ぼすことが考えられています。
その対策として考えられているのが、高年齢者の活用、女性の活用、外国人労働者の活用です。
外国人労働者に関しては、最近特に注目を集めるようになりました。
TPPの兼ね合いもあり、「移民」を含めて政府内では議論を深めています。
ただし、移民に関しては慎重に議論を重ねるべきであるのではないでしょうか。
当然、労働力や税金収入の事を考えれば、人口減少の日本にとっては救世主になりうる可能性を秘めています。
しかし、当然デメリットも存在しますし、簡単にはいかないような気がします。
移民に関してどのような政策が良いのか、そもそも必要なのか、どのような結果を招く事になるのか。
それを知るには、外国の事例や歴史を紐解くのが良いかも知れません。
移民政策に関してまず取り上げたいのが、スイスです。
スイスでは、移民を積極的に受け入れており、移民を受け入れた際どうなるか…というのが見えやすいのではないでしょうか。
メリットとしては、やはり労働力の補填。
スイスも少子化に悩まされているとの事で、移民を受け入れる事により、労働力の確保に成功したようです。
だからと言って、国民の雇用が虐げられているわけではありません。
失業率は3%。
日本の失業率が2013年で4.0%なので、かなり良好であると言えるのではないでしょうか。
労働力の補填以外にも、税収の確保や社会保障費の担い手になるとも言われています。
税収が減れば、当然多方面において影響は出てきます。
また、少子高齢化により非常に少ない人数で高齢者を支えるようになってしまう事を考えれば、現役世代を移民で埋め合わせる…なんて事も良策かもしれません。
国民の確保というのは、経済発展の為には重要なだけではなく、社会保障の観点からも重要であると言えるのです。
実際、介護業界においては色々な対策が必要のようです。
介護福祉士は足りていないというのが現状です。
TPPにより、外国人介護福祉士の基準が見直される可能性もありますよね。
メリットが多い「移民政策」。
しかし、良い事ばかりでもないようです。
まずは、人口の比率。
スイスでは、現状人口の4分の1が外国人という状況のようです。
国内にいる4人に1人が外国人という事です。
日本で言えば、統計局のデータを参考にすると、平成23年度は総人口の1.6%との事。
実に日本の15倍以上も外国人がいるということになります。
当然、市場も変われば日常生活面でも大きな変化が置きそうである事は、想像に難くありません。
多くの外国人が住むという事は、文化面でも影響が出てきます。
ベルギーの首都ブリュッセルでは、人口の3分の1がイスラム教徒になっているとも言われています。
そうなれば、国内にイスラム文化が多数存在するでしょうし、もはや「移民」と言えないレベルです。
文化や風習は当然異なるわけですから、対立が起きてもおかしくありません。
これは当然、イスラム教やベルギーにかかわらず、移民を受け入れる全ての国に言えることですよね。
移民の受け入れが、日本の文化にどのような影響を与えるのか。
日本人の日常生活に、どのような影響を与えるのか。
政府は既に、移民を受け入れた場合の未来を予測しています。
移民を年に20万人ずつ受け入れた場合、1億1,000万人程度を維持できる…と推測しています。
様々な面から考慮すれば、移民の受け入れを前向きに検討しようとしている…とも見受けられます。
移民の受け入れに関しては、メリットもあればデメリットもあります。
日本の歴史や国民感情から推測すれば、移民を受け入れたくない…というのが多数派かもしれません。
元々保守派ですし、外国人の耐性もなければ、最近の東アジア情勢への不安もあります。
今後、移民政策に関してどのように進めていこうとしているのか。
それによって、私たち自身も色々と準備や対策が必要になるかもしれません。
雇用の面、人事の面、そして日常生活の面。
影響は少なからず出てくるはずです。
今後の議論の方向性に注目です。