FCバルセロナに学ぶ人材育成術ースカウティング
【FCバルセロナの人材育成術 なぜバルサでは勝利と育成が両立するのか】
前回は「組織論」でしたが、今回は「スカウティング」。
バルセロナというチームがサッカーチームを築き上げていく過程において、大事にしている事をご紹介。
チームを磨いて試合に勝利し、優勝をする。
それは、経済界においての組織論と、少なからず繋がる部分はあると思います。
◇FCバルセロナ「カンテラ」テクニカルディレクター アルベルト・プッチ・オルトネーダ氏
FCバルセロナ スクール・コーチ 村松 尚登氏
「どんなクラブでも若手選手の育成に取り組んでいるが、FCバルセロナの下部組織は、いささか特殊なやり
方を採用している
選手のスカウティングに多大なるエネルギーを注ぐ事で、素晴らしい才能を持つ選手を確保するのだ」
なぜ、スカウティングに多大なるエネルギーを注ぐのか。
それは、最終的には「勝つ為」であり、リーグ等で「優勝する為」に他ならない。
チームを強くする為には、まずは選手が大事である…ということですよね。
素質を見極め、才能の有る人物を育成していく。
それが、勝つ為に、優勝する為には必要な事であり、大切な事だと認識しているのです。
サッカー日本代表においてもそうですよね。
ザッケローニ監督の下、戦略・戦術を踏まえたうえで、人選をしていく。
これはつまり、日本代表としての「スカウティング」です。
誰をどこに起用すれば、勝てるのか、はたまたW杯で結果を残せるのか。
バルセロナに限らず、育成の前に重要なのは人選である…という事です。
野球においてもそうです。
プロのスカウトマンが時間をかけて、ドラフト候補者を見定めていく。
それこそ、何度も大学や試合にも足を運び、実際の目で確かめる。
スカウティングを重視しているのには、それがチームが勝つ為に、優勝する為に重要な事であると理解しているからです。
誰を入団させるのが、自分の球団にとって最適なのか。
私たちも、自然にその事は分かっていますよね。
・なぜあいつを出すんだ
・なぜあいつを選ばないんだ
・なぜあいつをあの位置に出させているんだ
そのような言葉は、スポーツ観戦が好きな方は頻繁に発しているものです。
身近なところで、私たちは自分の考えにおいてスカウティング(監督まがい)をしているのです。
それもチームが勝つ為、優勝する為に意見が出てくるのですよね。
これは、経済界においても同じ事が言えます。
企業においても重視すべきはスカウティング、つまりは「採用活動」なのです。
良い人材を入社させる事に始まり、育成に繋げていくのです。
思うような人材が取れないという課題は当然あるでしょうが、それでも採用に力を入れていくべきですよね。
プロのスカウトマンですら、長い年月をかけ、得点数や打率などの客観的データを元に判断しているわけです。
それでも、100%完璧なスカウティングはできません。
それほど、難しい業務なのですよね。
方や、同じくらい採用に力を入れるべきなのに、経済界には限界があります。
就職活動の期間はどんどん短くなっているし、客観的なデータも少ない。
大学に足を運んで能力を見る事も難しいですし、試合もありません。
一部の理系学生であれば可能かもしれませんが、文系学生の判断は特に難しいものです。
「人事採用」というのはそれほど奥深く、企業が成長するためには欠かせない、重要なプロジェクトなのですよね。
だからこそ、私は適性検査の導入をオススメしておりますし、人事のコンサルティングを行っています。
一見地味に見えますが、人事というのは企業にとって、非常に重要なポジションなのです。
人事の価値を高めていく事も、弊社の役割であると思っています。
人事採用の面においても、スポーツ業界と経済界、リンクする点があるように思います。