FCバルセロナに学ぶ人材育成術-組織論
【FCバルセロナの人材育成術 なぜバルサでは勝利と育成が両立するのか】
前回は【思想】でしたが、今回は「組織論」。
バルセロナというチームがサッカーチームを築き上げていく過程において、大事にしている事をご紹介。
チームを磨いて試合に勝利し、優勝をする。
それは、経済界においての組織論と、少なからず繋がる部分はあると思います。
◇FCバルセロナ スクール・コーチ 村松 尚登氏のお話
「サッカーとは不完全な選手がお互いの長所を出し合って、そしてお互いの短所を
補い合って、その結果、一つの組織(=チーム)として機能すれば良いスポーツ
なのです」
「個々の選手を見てみると、それぞれが様々な長所や短所を持っています
サッカーの強い、良いチームというのは、1人ひとりの選手が自分の良い部分を理
解し、それを最大限に発揮する事で、他のチームメイトの短所を補っています
自分の長所は思いっきり発揮するが、短所は他の人にカバーしてもらう
それによって現れる全体のハーモニーが、チームの力なのです」
「テクニックが得意なゆえに、ソロ奏者のように見えるメッシでさえ、チームメイトと
のハーモニーの大切さを強調しています
なぜならば、1人の力だけで試合に勝てるわけではないことを、経験上彼は誰よりも
知っているからです」
「『迷惑をかけない』という消極的な視点以上に重要なのは、『チームに貢献する』と
いう前向きな視点であり、それはまさしく『自分の長所を伸ばし、その面でチームに
貢献する』事だと思います。
なぜならば、あなたの長所が他のチームメイトの短所をカバーしているように、他の
チームメイトがあなたの短所をカバーしてくれるからです」
「プロ選手になるための階段を登る際に重要なのは、非の打ち所が無い完璧な選手を目指
すことではなく、自分の長所を活かしながらチームメイトと再考のハーモニーを奏でる
事を学ぶ事です」
「個々は、組織の機能を高めるために自分の能力を発揮する事が、求められています
それは決して「組織の為に自分の個性を押し殺す」ことではなく、全くその逆です
『自分の個性を最大限に発揮し組織に貢献する』事です」
組織を築いていくにあたり、重要なのは
「その人物の長所、短所をよく理解し、組織の貢献に役立てる」
事です。
短所は誰にでもありますし、気にする事はありません。
足りない部分は他で補う形にし、長所を最大限に活かす事が、組織にとってはとても大切な事なのですよね。
監督やチームによって、戦術はそれぞれ異なってきます。
攻撃的に行くのか、守備的に行くのか。
4-4-2でいくのか、3-5-2でいくのか、4-2-3-1でいくのか。
カウンターか、サイド攻撃か、ロングボールか。
その戦略・戦術を固めてから、基本的には選手を選んでいきます。
今いる選手の長所を把握し、戦略・戦術を決定していくケースもあるでしょう。
共通している事は、その選手が何が得意で何が不得意なのか。
それをしっかりと把握し、チームの勝利のためには、その能力をどう活かしていくべきなのかを考える・・・という事に他なりません。
経済界における組織も、同じ事ではないでしょうか。
だからこそ、従業員一人ひとりについて、理解すべきなのだと思います。
プロのスポーツの世界では、ごくごく当たり前のこととして行われています。
経済界も、今以上に従業員の事を理解し、組織運営を行っていくべきなのではないでしょうか。
適性検査を用いて組織の現状分析をしている私としては、非常に共感できる部分です。
その人のことが分からねば、何が最適解なのか分かりませんからね。