異文化経営論A-5 「男性度vs女性度」…ホフステッドモデル
ホフステッドモデル、最後の指標になります。
※ホフステッド4次元モデル
・能力格差
・不確実性の回避
・個人主義 vs 集団主義
・男性度 vs 女性度
男性度指標(MAS:Masculinity Index)の基となったのは、仕事の目標(work goals)に関する14の質問です。
その中で男性度(masculinity)と女性度(femininity)を表す項目がこちらです。
男 ① 高い収入(Earnings)
男 ② 仕事で人に認められる(Recognition)
男 ③ 昇進(Advancement)
男 ④ 挑戦を好む(challenge)
女 ⑤ 上司と良い関係(Manager)
女 ⑥ 同僚との協力(Cooperation)
女 ⑦ 快適な生活環境(Living area)
女 ⑧ 雇用の安定(Employment security)
になります。
つまりは、
男性度が高い
…仕事の意識が高く、仕事を中心にしている
女性度が高い
…プライベートを重視させたいという気持ちが強い
とでも言えますでしょうか。
以下、その指標になります。
一部だけ抜粋致しますので、欧米・中南米・アフリカなどに興味がある方は、書籍をご覧下さい。
【50ヶ国と3地域の男性度指標(MAS)】
出典:異文化経営論の展開 馬越恵美子著 p88 第4章 多国間定量分析の検証
※日本…太字+下線
左:Score rank、中央:MAS score、右:Country or region
1 95 Japan
2 79 Austria
11 64 Philippines
15 62 USA
18 57 Hong Kong
20 56 India
25 50 Malaysia
28 48 Singapore
30 46 Indonesia
32 45 Taiwan
41 39 South Korea
44 34 Thailand
男性度が最も高いのは、日本です。
なんとなくイメージしやすいですよね。
日本は働きすぎ…と言われるゆえんも、この数値からでも分かります。
また、表記にはありませんが、オーストリアやイタリアやスイスといった欧州大陸も高い値を示しています。
反対にデンマーク、オランダ、ノルウェー、スウェーデン等の北ヨーロッパは、女性度が高くなっています。
同じ欧州でも、地域によって全然国民性が違うようです。
アジアの数値がそれ程高くないのも、印象的ですね。
面白いのが、先日のカナダ人の友人との話。
先月、「7/13(土)、7/14(日)、7/15(月)海の日」があり、3連休でしたよね。
このことに関して、日本人は特に違和感を感じないかと思います。
しかし、カナダ人の友人からすれば、これは「3連休」ではなく「1日の休み」と捉えるそうです。
どういうことかというと、「土日は元々休みなので、連休には含めない」のだそうです。
根本的に、土日は当然プライベートの時間と言う認識なので、「休み」とは思わないそうなんですね。
私を含め、日本人の多くが「3連休」と言う言葉に違和感は感じていないのではないでしょうか。
ただの言葉遊びかもしれませんが、認識の違いがあるのは間違いないようです。
文化の違いと言うのは、こうした「当たり前・常識」と思っている部分にこそ、違いが現れるものなのでは
ないでしょうか。
面白いですよね。