異文化経営論A-2 「権力格差」…ホフステッドモデル

人事適性検査

それでは、まずはホフステッド4次元モデルを見ていきます。

 

※ホフステッド4次元モデル

権力格差

・不確実性の回避

・個人主義 vs 集団主義

・男性度 vs 女性度

 

ホフステッドモデルの権力格差(PDI:Power Distance Index)は、3つの設問によって、構成されています。

 

①上司と意見が一致しない場合に、それを表現する事を社員が恐れることがあるか?(管理職以外への質問)

②上司の意思決定のスタイルは、専制的か温情的か?

③部下は、どのような上司の意思決定スタイルを好むのか?

 

というものです。

 

つまりPDIは、

「組織の権力構造の下位に属する構成員が、権力の分布が不平等であることを受容する程度によって、測定し

 ている」

のです。

 

噛み砕いて言えば、

 

権力に屈しやすいか屈しにくいか

上司に対し、意見を述べる事をためらうかためらわないか

上層部の決定に従いやすいか従いにくいか

リーダーが自分で決めてしまう意思決定を好むか、会議でみんなの意見を取り入れる意思決定を好むか

上司の指示も、圧力的か調和的か

 

などと言った感じでしょうか。

 

この数値が高ければ高いほど、組織に従順であり、低い数値であればあるほど、組織に従順ではないとも言

えます。

また、自分の意見を発言するかしないか…という事も言えそうです。

以下、その指標になります。

 

一部だけ抜粋しますので、欧米・米国に興味がある方は、書籍をご覧下さい(笑)

 

【50ヶ国と3地域における権力格差指標(PDI)の値】

出典:異文化経営論の展開 馬越恵美子著 p87 第4章 多国間定量分析の検証

 

異文化経営論の展開

 

 

※日本…太字+下線

左:Score rank、中央:PDI score、右:Country or region

 

1 104 Malaysia

4  94 Philippines

8  78 Indonesia

10 77 India

13   74   Singapore

15   68   Hong Kong

21   64   Thailand

27   60   South Korea

29   58   Taiwan

32   55   Pakistan

33   54   Japan

34   50   Italy

38   40   USA

 

勿論、その国の方全てがそうとは言えませんが、国民性という観点で見ると面白いと思います。

 

日本は比較的数値は低めですよね。

マレーシアやフィリピンなどは、高めとなっております。

となれば、コミュニケーションの仕方やリーダー像などが見えてきます。

 

PDI数値が高い国民性と言うのは、権力に従うという性質があります。

つまりは、PDI数値の高い国の部下ができた場合は、引っ張っていくようなリーダーシップに慣れているとい

う事を意識せねばなりません。

 

自分の意見を言わない…ではなく、そのような環境下に育ってきたわけです。

上の意見には従う…という環境下で教育を受けてきたわけです。

リーダーが決めた事項についてついていく事には非常に従順なので、上司としてはやりやすいかと思います。

逆に言えば、長所・短所は表裏一体なので、「意見がでにくい」という事でもあります。

 

その国の文化を知る事は、コミュニケーションを円滑に行う為には必要な事なのかもしれません。

いわゆる、これがダイバーシティの一つです。

 

求められるリーダー像、いわゆるグローバルリーダーというのは、

「色々な文化が混在するチームをまとめる事ができる能力」

が求められるのだと思います。

 

文化の理解は、少なからず役に立つものなのではないでしょうか。

 

 

 

尾登 正幸

ブログ著者:尾登 正幸

埼玉県出身。大学3年生の就職活動期に “人生を楽しむことを手伝える” 仕事での起業を決意。同じ志を持つ仲間と3年後の会社設立を目標として共有し、ノウハウを得るため2006年に人材派遣会社に就職した。2008年12月、仲間と共にRAYERED(株)を設立し、2010年からは代表取締役に就任。ビジョンの共有を核とする人事コンサルティングや、人事適性検査にフィードバックを付けるサービスはリピーターが多い。人事適性検査をフル活用した独自のスキームにより、企業と人のベスト・マッチングを提供している。

レイヤードブログ一覧へ戻る