アジアへの転職に関して、メリットもデメリットもある
4月12日 日経産業新聞からの抜粋+一部編集です。
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アジアへ転職、段取りは?、海外での就職に詳しい、森山たつを氏に聞く
海外、特に成長著しいアジアでの就職に関心を持つビジネスパーソンが増えている。
「躍動するアジアでの働きがキャリアアップにつながる」との声は多いが、いざ踏み出そうとすると、準備や手順など戸惑うことは多いだろう。
アジア7カ国・地域で就職活動した経験があり、現在は「海外就職研究家」として活動する森山たつをさん(37)にその段取りと極意を聞いた。
森山さんは1999年に大学を卒業後、日本オラクルに入社。
2006年に日産自動車に移り、IT(情報技術)エンジニアとして物流費を削減するサプライチェーンシステムの構築に従事した。
08年に退社して世界を旅する中、
「製造業相手の仕事が減る日本より、成長が続くアジアの日系企業で就職しようと考えた」。
活動開始は11年12月。
まず、どこで働くか決めようと各国の求人や居住環境に関する情報をインターネットで収集。
「12年3月までに7カ国・地域を回る。
内定獲得は1カ国で1社」
と決め、マレーシア、ベトナム、中国、香港、シンガポール、タイ、インドネシアをその地に選んだ。
次に日本国内で人材紹介会社に登録した。この段階でも海外の求人を紹介されることもあるが、別の会社に在職している場合は敬遠される可能性があるという。
海外では内定後すぐに働いてほしいと考える企業が多く、在職中の場合、退職手続きやビザ取得に時間がかかってしまうためだ。
海外就職を決意したら退職して現地に飛び、人材会社の現地オフィスでやりとりをした方が多くの求人情報を得やすい。
フリーペーパーやネットを通じて企業に直接アプローチする手もあるが、ビザ取得の手間やトラブルが起きた時のことを考えると人材会社を活用するのが現実的。
手数料は会社側が払うため、求職者の負担はない。
森山さんは現地に飛び、1カ国・地域あたり1~2週間滞在して、就職活動に励んだ。
滞在期間が短いようにみえるが、
「人材会社が面接日程を効率的に組んでくれるので十分だった」。
面接は1社あたり平均2回で、同じ日の午前と午後で終わることもあった。
2週間滞在すれば4、5社の面接は受けられる。
人材会社によって得意とする業界や職種が異なるため、
「2、3社に登録した方がよい」。
その場合は自分で日程を調整する必要がある。
面接日時が決まれば会社を訪問。
1次面接で30、40代の駐在員、2次面接でその上司から質問を受けることが多い。
いずれも日本人で、合間にマネジャークラスの現地社員が入ってきて、短時間、英語でのコミュニケーション力を試される。
現地語となるとできる人は圧倒的に少ないため、心配はほぼ無用だ。
面接で質問されるのは主に
(1)職歴
(2)前の会社を辞めた理由
(3)この会社で何ができるか
(4)なぜこの国で働きたいのか、
だ。
森山さんは4つ目の質問に対して
「自分で街を見て感じたことを仕事に関連づけて、自分の言葉で話すといい」
と話す。
森山さんは4カ月間、日本とアジアを行き来しながら就職活動し、5社から内定を得た。
製造業の技術者というニーズの高いスキルを持っていたことも多くの内定を得た背景にありそうだが、海外就職のハードルは意外と低いと感じたという。
アジアでの就職活動の奥深さを感じた森山さんは、海外就職研究家として新たな道を歩んでいる。
転職希望者へはこうアドバイスする。
「入り口が狭く、上の世代がつかえる日本と違い、海外では多くの人に門戸が開かれているうえ、市場が拡大しているのでポストも増える。
安定がない代わりにチャンスがあるところが海外就職のおもしろさだ」
もちろん厳しい面もある。
例えば、仕事内容がほとんど同じでも現地採用社員の給料は駐在員の数分の1ということもある。
それでも海外で働いた経験はグローバル化を進める企業に必要とされるはず。
キャリアアップを考えているなら選択肢の1つに海外就職を加えてみてはどうだろうか。
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海外への意識が、日増しに強くなってきています。
今回は、海外への転職について。
デメリットはあるものの、メリットも大いにあるのですよね。
自分のキャリアプランをしっかりと考えなければならない。
そのような時代に突入しています。