「チャイルドプラン制度」・・・不妊治療を受ける予定、もしくは現在受けている社員を対象に、妊娠までの1年以内の休業を認める、「ファミリー見学会」・・・家族の職場見学 三菱重工
8月21 日経産業新聞からの抜粋+一部編集です。
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三菱重工―不妊治療にも休業制度、育休中の社員に先輩助言
働き盛りの子育て世代に、いかに気持ちよく働いてもらうか――。
三菱重工業は出産前から子どもが中学校を出るまで、手厚い制度で社員を支援する。
昨年秋には組合からの提案を受け、不妊治療のための休業制度「チャイルド・プラン休業」を導入。
男性、女性ともに仕事と家庭を両立しやすい環境を整え、能力を発揮してもらう狙いだ。
チャイルド・プラン休業は不妊治療を受ける予定もしくは、現在受けている社員を対象に、妊娠までの1年以内の休業を認める制度。
男女とも取得可能で、月々の給料は出ないが期末一時金は一部支給される。
妊娠後に出産休業をとり、その後に復職もできる。
不妊治療に特定した一定期間の休業制度は珍しい。
人事部によると
「2011年度末時点ですでに2人が取得している」
という。
前年度までに使わなかった休暇を、不妊治療でも取得できるよう積立休暇制度も変更した。
従来、不妊治療を受ける場合は有給休暇を使うしかなかった。
不妊治療は女性はもちろん、男性も検査などのため病院に通わなければならないケースが多い。
長期にわたって女性が薬を服用したり、検査・投薬のため通院が頻繁になったりするため、仕事との両立が難しくなることもあった。
「不妊治療のために退職を余儀なくされる社員や、仕事を続けるために不妊治療をあきらめる社員を出さないためにも、制度導入が必要だった」
(人事部)
という。
少子高齢化も進んでいるだけに、企業が次世代育成を支援することも責務のうちとみる。
従来も女性の産前産後の休業をはじめ、育児休業や育児のための短時間勤務、子どもを看病するための休業など幅広く支援してきた。
出産・育児を理由に退職した社員を再雇用する制度もある。
一部を除き、多くの制度で男性社員を対象とするのも特徴だ。
同社はもともと男性社員が多く、今も女性の比率は約1割、部長級の幹部はわずか1人にとどまる。
両立支援メニューを充実するのは、女性の戦力化を進めるにはパートナーである男性への支援も欠かせないとの判断がある。
実際に出産・育児のために休暇を取得する男性社員は増えつつある。
11年度の男性社員の出産・育児休暇取得人数は約1200人。
配偶者が出産した男性社員の約8割にあたるという。
1週間以上の休暇をとる社員も少なくない。
社員の働き方も変わりつつある。
育児休業をとって復職した先輩社員と、育児休暇取得中の社員との懇談の場も設けている。
年1回、本社ビルの会議室に遊具を入れて、子どもを遊ばせながら母親たちが話を聞けるようにする。
今年は3月に開き、育児との両立や復職後の仕事などについて話が弾んだ。
先輩社員からの助言はもちろん、育児休業中も会社とつながりを持つ機会をつくることで復職しやすい環境を整えている。
社員の家族が職場を見学する「ファミリー見学会」も開催し、家族に職場の雰囲気を知ってもらう取り組みもある。
これらの取り組みで、09~11年の育児休業後の復職率は99%に達した。
父母や祖父母などの介護のための休暇や就業時間短縮制度も充実させており、
「社員が家庭と仕事を両立させて一層活躍できるようにしたい」(人事部)
と意気込む。
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「チャイルド・プラン休業制度」…不妊治療の為の休業制度。
素晴らしい取り組みだと思います。
組合からの要望という事は、他社でも同じような悩みを抱えている方もいる可能性が高いという事。
女性に優しい企業が増えればいいですよね。
職場を見学する「ファミリー見学会」というのも面白いです。
家族が職場との連携を取る事で、仕事に対する理解度も増えるかもしれません。
このような取り組みがあるのは、素晴らしいですよね。