新卒ニート3万人、働き手減少に拍車、教育・就職橋渡し欠く

人事ニュース

8月28日 日本経済新聞からの抜粋+一部編集です。

———-

新卒ニート3万人、働き手減少に拍車、教育・就職橋渡し欠く

大学を今春卒業した約56万人のうち6%にあたる約3万3千人が、進学も就職の準備もしていないことが27日、文部科学省の調査で分かった。

大半が「ニート」とみられ、学校から職場へのスムーズな移行が難しいという若年層の課題が浮き彫りになった。

ニートへの対応が遅れれば質と量の両面で日本の労働力の劣化を招き、生活保護受給者の増大なども懸念される。

抜本的な対策が急務だ。

文科省の学校基本調査速報によると、今春の大卒者は昨年比1・2%増の55万9千人で、このうち35万7千人が就職した。

就職率は63・9%で2・3ポイント増え、2年連続で改善した。

同省は大企業志向が強かった学生が中小企業に目を向けた影響が大きいと見ている。

ただ就職も進学もしなかった約8万6千人の現状を初めて調べたところ、就職や進学の準備をしている人は約5万3千人にとどまった。

残り約3万3千人はどちらの活動もしていない。

男性が約1万8千人、女性が約1万5千人で、家事手伝いやボランティア従事者なども含まれるが、いわゆるニートが大半を占めるとみられる。

全国に約60万人といわれるニートは高卒者や学校中退者が多いとみられていた。

大学の新卒者でも数万人規模に上ることが分かり、問題の深刻さが鮮明になった。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの横山重宏主任研究員は

「就業しないまま年を重ねると、職探しがより難しくなる」

と指摘する。

都内の30歳男性は大学卒業後に勤めた会社をやめて7~8年がたつ。

収入はなく親と同居。

「働きたい気持ちはあるが、仕事を長く離れ、他人との会話が不安」

と打ち明ける。

企業などで職業訓練を受けないニートが増えると、日本社会全体の労働力の質が下がる懸念がある。

就職した同世代との経済格差が拡大し、いずれ生活保護受給者になりかねない。

結婚や子育てが困難な人が増え、少子化が一段と深刻になる可能性も指摘されている。

政府は専門の相談員がニートなどの若者の自立を支援する「地域若者サポートステーション」の拡充を急いでいる。

2011年度は全国110拠点に約37万6千人が来所したものの、就職などの進路が決まった人は約9700人にとどまった。

横山氏は

「研修の場の提供など民間企業を巻き込んだ支援を進めるべきだ。

成長産業の育成などで雇用を生み出すことも重要」

と言う。

約2万2千人が契約社員や派遣などの非正規雇用になっていることも分かった。

正社員を希望したものの内定を得られず、契約社員などを選んだ人も多い。

アルバイトなど一時的な仕事に就いた人も含めると、新卒者のほぼ4人に1人の12万8千人が安定した仕事に就けていない。

新卒者の進路を学部系統別にみると、文系で無職やアルバイトの割合が多かった。

▼ニート(若年無業者)

通学も仕事もしておらず、職業訓練も受けていない15~34歳の若者を指す。

英語の「Not in Education,Employment or Training」の頭文字(NEET)からとられた。

厚生労働省の推計では、ニートの数は2011年で約60万人。

02年以降60万人台で推移している。

政府は6月に若者雇用戦略を策定し、ニートなど就労していない若者への就職支援の強化を打ち出している。

—————-

新卒ニート3万人…。

見えないところで、多くの若者が苦しんでいるのですよね。

政府は、若者への就職支援の強化を打ち出しているとの事…。

と言っている一方で、

・65歳までの雇用義務化(年金の支給開始年齢の引き上げの対応)

・改正労働者派遣法(原則、30日以内の日雇い派遣禁止)

等の対応を取っています。

若者が苦しんでいる一方、定年退職後の不安もくすぶっているのが現状…。

実際、まだまだ議案の段階ではあるようですが、「40歳定年制」というのも上がっているようです。

若者を保護しようとすると、諸先輩方が苦しむ政策になる。

諸先輩方を保護しようとすると、若者が苦しむ政策になる。

雇用の問題と言うのは、本当に難しいですよね。

今回の記事に関して言えば、「若者」は将来の日本をしょって立っているのです。

何もしないで手をこまねいていると、将来の日本が心配になります。

雇用を増やす事も大事でしょうが、「雇われない生き方」というのも1つの生きる術として、教える事も重要なのではないでしょうか。

今の時代は、雇用されていれば安心というものではないですし、キャリアプランをしっかりと立てるべき時代ですからね。

諸先輩方目線で言えば、

「若者は将来の日本をしょって立つかもしれないが、今の日本をしょって立っているのは自分達である」

ですよね。

雇用・労働問題と言うのは、常に付きまとっている難しい問題です。

尾登 正幸

ブログ著者:尾登 正幸

埼玉県出身。大学3年生の就職活動期に “人生を楽しむことを手伝える” 仕事での起業を決意。同じ志を持つ仲間と3年後の会社設立を目標として共有し、ノウハウを得るため2006年に人材派遣会社に就職した。2008年12月、仲間と共にRAYERED(株)を設立し、2010年からは代表取締役に就任。ビジョンの共有を核とする人事コンサルティングや、人事適性検査にフィードバックを付けるサービスはリピーターが多い。人事適性検査をフル活用した独自のスキームにより、企業と人のベスト・マッチングを提供している。

レイヤードブログ一覧へ戻る