ここが知りたい改正労働契約法(5) 小売業の経営にどう影響?

人事ニュース

8月27日 日経MJからの抜粋+一部編集です。

 

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ここが知りたい改正労働契約法(5)小売業の経営にどう影響?

 

 

厚生労働省などによると、小売業(卸売業を含む)に従事する有期契約の労働者は推計で300万人にのぼる。

レジ打ちや商品陳列、店内加工などで人手がかかり、パート・アルバイト比率は3割強と、全産業平均よりも10ポイント程度高い。

 

 

――無期限雇用への転換は小売業の経営にどう影響を与えるだろうか。

 

「厚労省の11年の調査によると、小売業・卸売業での勤続年数5年を超える有期契約雇用者の割合は33・4%で、全業種平均よりも約4ポイント多い。

 

パートの待遇や研修が手厚いヤオコーは

『もともと勤続が長い人が多く、影響は小さい』

とみる。

 

法律上は無期限雇用に転換した場合でも、処遇を変える必要はない。

 

ただある全国スーパーは

『退職金や昇給の制度が必要になるかも』

と負担増を懸念する」

 

「百貨店でも影響は限定的との見方が多い。

 

高島屋は

『顧客が店員に付くことも多く、長期の継続雇用が大半で影響はない』。

またホームセンターのコメリは現在6割のパート比率を高める方針で

『無期限雇用はモチベーションを上げるプラス効果』

とみる。

 

 

――本当に影響は小さいのだろうか。

 

「『過去2年間に雇い止めをしたことがある』と答えた小売業・卸売業は34・5%に上り、外食関連(22%)を上回る。

業務量減少や経営悪化などが理由で、首都圏の中小スーパー首脳は

『経営に余裕がない中小零細では、勤続5年の前に雇い止めにするケースが増えるのでは』

と漏らす」

 

 

――施行に備え、どういった対応策が大事か。

 

「無期限雇用になることで、企業側はより高度なスキルを求めることになりそう。

技能に応じた社内資格で離職率が低下したイトーヨーカ堂は

『士気を高める制度が必要』

と考えている」

 

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大手小売業の「無期限雇用」に関しては、前向きにとらえている企業も多いようです。

全てがマイナスなわけではないですね。

 

今回の記事のポイントは

 

◇「無期限雇用」に変えても、法律的には処遇自体を変える必要はない

法律的には、有期雇用から無期限雇用に変更しても処遇を変える義務はない

その為、元々長期雇用が多いので、大した影響がでないのではないかとみる

しかし、場合によっては退職金や昇給の制度が必要になる事も懸念している

 

 

◇中小零細では、期間ギリギリの雇止めが増える可能性が高い

大手企業では、あまり変わらないという見解がある

 

一方、中小零細企業では慎重論も多そう

それは、無期限雇用になれば、扱いとしては正社員のようなもの

「雇止め」をしづらいのが日本社会であり、そうなれば労働争議にも繋がる

給料の固定費化にも繋がり、雇用の調整弁としての意味合いが強い中小零細企業では、慎重論が出るのも当然と言えば当然

 

◇これまでよりも、高度なスキルを求める事にもなる

 

◇士気を高める制度が必要

無期限雇用になるという事は、雇止めしたくても簡単に出来ない事を意味する

つまり、スキル不足やモチベーション低下などによる雇止めがしにくくなる

当然、雇い入れる際から慎重にならざるを得ない

出口が狭いなら、入り口も狭くする

だからこそ、スキルと同時にモチベーションの管理も必要になってくる

 

 

という感じでしょうか。

 

あまり変化が無いように見えて、実は「権利」の部分で大きく変化する。

明日からすぐにと言うわけではありませんが、前々から会社の方針を決めておいたり、準備をしておく必要があるかと思います。

 

 

尾登 正幸

ブログ著者:尾登 正幸

埼玉県出身。大学3年生の就職活動期に “人生を楽しむことを手伝える” 仕事での起業を決意。同じ志を持つ仲間と3年後の会社設立を目標として共有し、ノウハウを得るため2006年に人材派遣会社に就職した。2008年12月、仲間と共にRAYERED(株)を設立し、2010年からは代表取締役に就任。ビジョンの共有を核とする人事コンサルティングや、人事適性検査にフィードバックを付けるサービスはリピーターが多い。人事適性検査をフル活用した独自のスキームにより、企業と人のベスト・マッチングを提供している。

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