「森で働く」若者就活、説明会参加、2年で1.5倍、「技術身に付けたい」
4月6日 日本経済新聞からの抜粋+一部編集です。
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「森で働く」若者就活、説明会参加、2年で1.5倍、「技術を身に付けたい」
学生の就職活動が本格化する中、林業が就職先として人気を集めている。
就業希望者向けガイダンスには若者の列ができ、新規就業者向けの国の助成事業の対象者も増加。
中堅を対象にした登録制度もスタートした。
自然志向に加え、将来への展望が開けない低賃金の職種が増える中で専門技術やキャリアの向上も期待できるという業界側のアピールも功を奏しているようだ。
1月中旬、大阪市中央区のある展示ホールの前に、20~30代の若者を中心に開場を待つ約50人の列ができた。
この「森林(もり)の仕事ガイダンス」は林業の様子を紹介しようと、全国森林組合連合会が大阪と東京で開いた取り組みだ。
会場には就業までの流れを紹介するブースや、最近林業に就業した若者らが相談に応じるブースなどを設置。
各地の森林組合などが設けたブースでは就業を機に移住してもらう狙いもあり、地域の魅力を伝えていた。
大阪・東京で計1591人が来場。
2010年11月に開いた前回の約1・5倍の盛況ぶりで、担当者は「予想以上の来場者数」と、椅子が不足したブースの対応に追われた。
3年間勤めた警備会社を「専門的な技術が身につきそうにない」と退職したばかりの兵庫県尼崎市の男性(29)は、ガイダンスで林業へ転職した体験談を聞き、
「作業がつらくても自然の中での仕事なら我慢できそう」
と前向きだった。
林業への新規就業者数は、景気を敏感に反映するとされる。
林業関連の企業や組合を対象に、新規雇用者の職場内訓練(OJT)経費を3年にわたり助成する林野庁の「緑の雇用」事業の対象者は、06年度の832人から10年度には約2倍、1549人に急増した。
林業に詳しい富士通総研の梶山恵司上席主任研究員は
「自然へのあこがれなどから、林業への潜在的な関心は高い。
不安定な雇用形態などから好景気の時は敬遠されがちだが、国による支援制度もあり条件面で改善が進んできた」
と分析する。
若者のキャリア志向に応えようと、林野庁は11年度から、就業して5~10年程度の中堅向けの研修制度を始めた。
技術を評価する統一的な基準を設け、受講者を「フォレストリーダー」などとして登録。
待遇面などに反映させ、離職率低下につなげる狙いもある。
大阪府河内長野市の林業会社に勤める仲谷貴紀さん(39)は昨年度、この研修に参加。
「他の会社からの参加者と情報交換し、問題意識などを共有できた」
と満足げだ。
ただ林業は作業時の事故発生率の高さや、日給制などで収入が安定しないケースの多さなど課題も多い。
梶山上席主任研究員は
「森林集約や林道整備など産業全体の変革に加え、作業効率化や機械の稼働率アップに向け、人材育成に力を入れることが必要」
と話す。
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林業の人気が上がっているようです。
また、林業の新規就業者数は、景気に左右されるとの事。
政権変わったこともあり、少しずつ景気が良くなる傾向が、水面下で進んでいるという事でしょうか。
今後に期待ですね。