【人事適性検査 人事の歴史5】
【人事適性検査 人事の歴史5】
RAYEREDは、人事適性検査のご紹介を中心に業務を行っております。
今でこそ、人事適性検査というのはたくさん世に出回っております。
その数、少なくとも80種類以上。
内容も様々で、目的に応じて使い分けるべきですよね。
そこで現在、人事適性検査を知る為にも、人事の歴史を振り返っております。
社会の変化、人事の変化が、人事適性検査の変化に繋がってくるのですよね。
社会が変れば組織も変わり、制度も変わり、求められる人材も変わってきます。
人事の歴史を紐解く事で、未来予測もしやすくなります。
「人事」の業界においても、先人の教えを学ぶ事、歴史を学ぶ事は大事だと思います。
【日本の経営 著者:ジェームス・C・アベグレン】
第1章 アジアの工業-日本の事例
第2章 決定的な違い-終身の雇用
第3章 人材の採用
第4章 報酬と報奨の制度
第5章 職階、昇進、公式の組織
第6章 従業員の生活に占める企業の地位
第7章 日本企業の生産性
第8章 日本産業の継続性と変化
「第5章 職階、昇進、公式の組織」のまとめです。
・日本では、象徴的な指導者を通じて、権力が間接的に行使(天皇や将軍のように)
◇監査役…アメリカと比較して、大企業の財務に関する法規が厳しくないので、会社の従業員
◇相談役…多くの企業で名誉職であり、引退した経営者がついている
◇常務取締役…会社の業務を実際に指揮し、通常は業務に直接の責任を負っている
※アメリカで言えば、財務担当副社長と生産担当副社長に似た役割を担っている
◇社長…政治的、社会的な関係と、社外の組織や個人に対して会社を代表する役割に限られている。
・日本の組織の3つの特徴(本社組織)
①組織が多数の部門に細かく分かれている
②正式な肩書と、地位を持つ人の比率が高い
③補佐する役職が多い為、複雑
・複雑な組織であるがゆえの問題点
①意思決定が遅い(すべての決定が、何人もの会議や議論で下される)
②意思決定が複雑(情報伝達の経路が不明確で時間がかかる)
③多くの人間が絡んでいる為、責任が誰にあるのか不明確
・日本の制度では、解雇が難しい(降格も)為、肩書と地位で報いる(無駄なポスト増)
無能な人間を雇ってしまった場合、会社に害のないレベルの小さな仕事が割り振られている
・日本では、効率性を犠牲にして人間関係を維持し、支える事に重点を置いている
その点は、欧米から見たら理解しがたい点である
効率性を重視しない事は、急速に変化する今の時代には厳しいのではないか…
弱点を見つけても、それを改善するのは容易ではない
・現在、現場の人間が減り、管理職が増えているという不釣り合いが生じている
工員の採用はストップしても、大卒の採用は減らしていない為
・大卒組のキャリア組は最上層まで昇進できる可能性があるが、小卒・中卒は×
・大企業の昇進のスタンダード
①30歳~35歳…係長
②35歳~40歳
③40歳~45歳
④50歳近く…部長職
※全員が部長になれるわけではない
※いつまでも平社員にしておくわけにはいかない
※年長者の上司にはなれない
・職員が過剰な為、ポストを増やす必要があった
→「補佐」というポストがつくられるようになった(それでも補佐にも権限はある)
・「大学が同じ」という共通項も、非公式ながら成功や昇進に少なからず影響がある
・日本の学校では、職業に関する事は教えない
仕事は企業に入ってからであり、先輩が教えるのが通例
時代の変化とともに変更点も多いです。
しかし、それでも日本の人事制度は上記をベースをしてつくられているのですよね。
日本の良さを残しつつも、時代の変化に対応していく事が求められているのではないでしょうか。
個人的に気になる点は、最後の「教育」の部分です。
日本の学校では職業に関する事は教えず、仕事は企業に入ってからであるという事。
今の日本の教育制度は、これが基本なのですよね。
少しずつインターン制度なども増えていますが、それでもまだ外国の大学には及ばない。
欧米では、在学中にインターン等で数か月、時には1年以上働いてから就職するなんて事もあります。
日本の大学では、そこまでは浸透していませんよね。
とは言え、最近では「秋入学の検討」という大きな変化がありました。
それに伴い、ギャップターム・ギャップイヤー等が生じる可能性も示唆されています。
今後の教育業界の行く末、そして人事業界の動き、就職活動業界の動き。
色々と注目していきたいと思います。