留学生採用、再び活発化-静岡銀行、村上開明堂、国際化へ備え
11月8日 日本経済新聞からの抜粋+一部編集です。
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留学生採用、再び活発―静銀、村上開明堂、国際化へ備え
静岡県内の企業で外国人留学生を採用する動きが再び活発になってきた。
リーマン・ショック後は一時的に後退していたが、円高に伴う海外進出の拡大などが後押しする。
異なる文化や視点を持つ留学生と普段から接することで社内の「国際化」を進めようという動きも広がる。
ただ、転職や帰国といった理由で離職するケースもあり、定着率の向上などの課題も残る。
「日韓のかけはしになり、ビジネスマッチングなど民間レベルの交流を進めたい」
10月1日、静岡市内で開いた静岡銀行の内定式。
新設した留学生採用制度を使って内定した韓国出身の金相均さん(29)は流ちょうな日本語で抱負を語った。
静岡銀は県内にキャンパスを置く大学の留学生を対象とした採用制度を創設した。
「中国や東南アジアへの取引先の進出が増えており、日本人にはない現地の見方や文化を提供できる」
(経営管理部)
と期待しており、来春卒業予定の中国と韓国籍の留学生3人を採用した。
入行後は財務分析など一般行員と同じ研修に加え、日本語学校などに通う。
当初は1年間の有期雇用とするが、本人と銀行の希望が合えば契約を更新したり、一般行員へ切り替えたりする。
静岡県によると、今春に県内の大学を卒業した留学生が県内企業に就職した割合は約18%で前年から約2ポイント上昇した。
リーマン・ショックで一時的に落ち込んだが、ここにきて改めて増加傾向をたどっている。
「自動車部品メーカーにとって海外展開は不可欠。
普段から外国人とのコミュニケーションに慣れておく必要がある」
自動車部品メーカーの村上開明堂の村松規行総務人事部長が話す留学生採用の狙いは明快だ。
同社は大卒以上の新卒採用数の3割以上を留学生とする方針を掲げる。
グローバル化を進める村上太郎社長の方針で11年4月入社から始めた。
これまでにスリランカやベトナム、中国籍の留学生を計10人採用。
来春も3人が入社する予定だ。
入社後は日本人の新入社員と同様に1年間、工場で勤務した後に、各職場に配属する。
村松部長は
「以前は海外からの顧客を工場へ案内すると、現場が身構えることもあったが、今は誰が来ても驚かなくなった」
と効果の一端を説明する。
ソフト開発のモアソンジャパン(浜松市)は中国とミャンマーの留学生を採用した。
開発拠点は日本が中心だが、顧客の海外進出が増えるなか、
「今後の自社の海外進出に備えて、今のうちに社内のグローバル化を進める必要がある」
と判断した。
社内では週1回、留学生が講師となり中国語や英語の勉強会を開く。
企業は留学生に対してグローバル化に向けた即戦力などとして大きな期待をかける。
しかし、
「外国人留学生には終身雇用という概念がなく、2~3年で離職するケースも多い」
(就職支援財団の満井義政理事長)
という指摘もある。
採用を一段と増やし、定着率を高めるには人事制度や人材育成の方法を見直す必要ありそうだ。
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昨今では、グローバル採用という事で、外国人の方を採用する事が増えています。
外国人留学生もその1つです。
地方の企業においても、その傾向にあります。
ただし、記事中にもある通り、採用はしたものの定着しない…という問題が出てきているのも事実。
外国では、終身雇用という概念がないためです。
定着率を上げようとするのか。
それとも、文化の違いを尊重して、そういうものだと考え方を変えるのか。
企業によって、対策が変わりそうです。