埼玉県企業、5割が高齢者継続雇用前向き
5月20日 日経速報ニュースからの抜粋+一部編集です。
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埼玉県企業、5割が高齢者継続雇用前向き
埼玉りそな産業経済振興財団(さいたま市)は21日、埼玉県内企業を対象に高齢者雇用についてのアンケート調査をまとめた。
人件費を抑えて経験豊富な人材を活用できるなどの利点から、県内企業の約5割が、高齢者の継続雇用が経営に「プラス」の影響を与えると回答した。
ただ、新卒や中途採用の抑制にもつながるため、若年者雇用への影響が懸念される。
高齢者の継続雇用を巡っては「高年齢者雇用安定法」の改正法が、2013年4月に施行される。
一部を除き、働きたいと希望する従業員全員を65歳まで雇用することが企業に義務付けられる。
従業員を65歳まで継続雇用するために設けている制度を聞いたところ、「継続雇用制度」が86%で大半を占めた。
同制度は定年後に継続雇用、再雇用する制度。
定年を延長する場合に比べ、勤務時間や賃金などの労働条件を変えやすいためとみられる。
「65歳以上の定年」が9%、「定年を定めない」は3%だった。
継続雇用制度を利用して勤務を継続する従業員の割合は「80~100%」が42%で最も多かった一方、「0~20%未満」が34%で二極化。
同財団は
「年金で生活に余裕があるなどの理由で、継続雇用を希望しない人も多いだろう」
とみる。
高齢者雇用による経営への影響については、「プラス」「どちらかというとプラス」が合わせて48%。
「マイナス」「どちらかというとマイナス」が21%で、「特に影響ない」とする企業も30%あった。
同財団では
「戦力になる人材を賃金を下げた上で確保できるのは短期的な収益には好影響だろう」
と分析する。
懸念されるのは若年者の雇用への影響だ。
継続雇用など高齢者雇用により、全体の26%が「新卒採用の抑制に影響する」と回答した。
特に製造業では約4割に上った。
厚生年金(報酬比例部分)の受給開始年齢が段階的に引き上げられるため、今後は継続雇用の希望者が増え、景気動向によってはますます若年者の雇用を圧迫する恐れもある。
調査は10月、県内企業925社を対象に実施し、266社から回答を得た。
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継続雇用制度、来年度の4月から始まります。
若年層の雇用が懸念されるなど、施行後に起こる影響を考えると、引き続き注目度は高い法律だと思います。
今後の動きに注目ですよね。